封印作品を追え
「怪奇大作戦」第24話「狂鬼人間」について。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 1984/07/25
- メディア: VHS
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真夜中の操車場に、ネグリジェ姿の女が現れる。
ナイフを持った彼女は、いちゃつくカップルに襲い掛かり、男を刺殺して高らかに笑う。
その姿は明らかに正気ではない。
それからニヶ月。
精神病院の前に立つ、二人の男がいた。
警視庁の町田警部(小林昭二)と、科学捜査班SRIの牧(岸田森)である。
彼らの目の前で、殺人犯のユキ子が退院していく。
彼女は、操車場で男を殺害したとして逮捕されたものの、心神喪失状態として不起訴になり、この病院に入院していたのだが、わずか二ヶ月で正気を取り戻して退院したのだった。その、あまりに不自然な回復ぶりを怪しんだSRIは、彼女の身辺を調査する。
「刑法第39条」という大テーマがここで大上段に登場します。
そのころ、精神異常者による殺人事件が頻発していた。
金融業者の家に、日本刀を持った上半身裸の男(大村千吉)が「ウヒヒヒヒ」と笑いながら現れ、「ううぇえぇ〜い!」と叫びながら斬殺する。
割烹から出てきた社長ふうの男が、「えへへへへ」と笑う若い男に銃で射殺される。
六人の人間が、精神異常者に殺されていた。
町田警部「いくらキチガイだからって、6つもの命が奪われてるんだぞ!」
SRI野村隊員「7つですよ、例のネグリジェの女を加えますとね…」
SRI三沢隊員「精神鑑定の方にはミスはなかったんでしょ?それにしても変ですよね…普通、殺人を犯すような精神異常者って、何年も…いや一生、病気が治らないはずなんですが」
この会話も、かなり危険な匂いがビンビンしてきますね。
「キチガイに刃物」を演じている大村千吉がここで登場。
インパクトのあるヴィジュアルゆえに、「怪奇大作戦」という作品自体のキーアートともなっているのですが、実際の作品への登場時間は15秒です。
ユキ子を尾行していた牧。
彼女は、ブティックを経営する女性、美川冴子と接触する。「お願いです、先生、もう一度…」
何かを懇願するユキ子だが、冴子に一方的に追い出される。
やがて、ユキ子はもう一度殺人を犯して逮捕される。
以前に殺したのは、彼女を捨てた以前の恋人であり、今度殺したのはその新しい恋人の女だった。
取調室で、ふたたび「イヒヒヒヒ」と精神異常を思わせる態度のユキ子。
町田警部「猿芝居はいいかげんにするんだな…おまえはキチガイじゃない!」
狂気を装っていたのは、すでに鑑定により暴かれていたのだ。
町田警部「刑法第39条もおまえさんには用無しだ!今度は刑法第199条で、みっちり絞ってやる…故意に殺人を犯したものは死刑!死刑だ!」
おやっさん、飛ばしてます。
牧の尋問に、真相を語り始めたユキ子。
美川冴子について、「あの人は、狂わせ屋です…」恋人に捨てられて自殺未遂をしたユキ子は、冴子から「死のうなんてバカよ。どうして相手を殺そうと思わなかったの?」と殺害を勧められる。
「人間だれだって一人や二人、殺したい相手がいるもんだわ…でも警察が怖いし、勇気も無い…じゃあ、私が良い方法を教えてあげましょうか?…平気で相手を殺せて、しかも無罪!」
その方法とは、彼女が開発した脳波変調機を使って一時的に精神異常を作り出し、殺人を犯しても無罪になるというものだった!
<明日に続く>