妖怪伝説の形成

怪談・都市伝説系のサイトをいろいろ見てまわっていたら、ちょっと気になるのがあったので報告しておきます。

ヒサルキ

この「ヒサルキ」という話はまだ決定版というようなエピソードが出来ていないようで、今のところいくつかの類話とともに一種不気味な磁場を形成するにとどまっていて、都市伝説としての完成には至っていないようです。

類話の一つとされる話は、最初の投稿から間もなく表れているようです。
小屋の二階
不可解な構造を持った建物で女性が監禁される、という「新耳袋」の「山の牧場」の話の影響が感じられるエピソードでした。

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)

ここでのキーワードは「ヒサユキ」という男の名前っぽいものになっています。


ついで、「ヒサユキ」の話を膨らませたような、女性の一人称による投稿がされます。
明晰夢スレ
ここでは、「人間に乗り移り凶暴化させる霊的存在」がキーになっていますね。


そして、「幼稚園で動物を虐殺する謎の存在」としての「ヒサルキ」とリンクするわけです。


さらに、それを補完する形で「凶暴化した女」の目撃証言のような投稿。
ヒサルキの謎

今年の2月になると、「ヒサルキ」の名前を変えただけのような「きらきらさん」の投稿がなされます。ここでは、「目を潰す」というギリシャ悲劇以来の伝統的モチーフがクローズアップされています。

ほかにも、「目が潰れる」というモチーフは怪談には頻出するものなので、ここから関連付けられる話もいくつかあるようです。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1108750643

それにしても、「祟り神」とか「忌避猿」とか、とても21世紀とは思えないようなセンスが未だ通用しているっていうのはちょっとした驚きだなぁ。

どうやら日本は未だに妖怪や悪霊の跳梁跋扈する世界のようです。