地中海の舞踏

大ショック。

時事ドットコム:パコ・デ・ルシア氏死去=スペインのフラメンコ・ギタリスト 時事ドットコム:パコ・デ・ルシア氏死去=スペインのフラメンコ・ギタリスト

 パコ・デ・ルシア氏(スペインのフラメンコ・ギタリスト)スペイン南部アルヘシラス市が26日明らかにしたところによると、心臓発作のため、訪問先のメキシコで死去、66歳。
 アルヘシラス生まれ。少数民族ロマ系の歌手だった父の影響で音楽を始め、12歳からギター奏者として活動。フラメンコ歌手カマロン・デライスラとのデュオで世界的人気を博したほか、80年代には米国のアル・ディ・メオラ、英国のジョン・マクラフリンといったギター奏者と共演し、ジャズなどの分野にも進出した。(2014/02/26-22:48)

ロック・ギターの歴史がジミ・ヘンドリックス以前と以後に分けられるように、フラメンコ・ギターの歴史はパコ・デ・ルシア以前と以後に分けられる、そう言われた不世出の名演奏家でありました。


遺した名演は数知れませんが、やはりぼくとしてはアル・ディ・メオラと共演した“地中海の舞踏”が印象深かったです。

エレガント・ジプシー

エレガント・ジプシー

チック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーを卒業したディ・メオラが、1977年にソロ第2アルバムとして発表した『エレガント・ジプシー』は、ラテンの旋律と超高速フルピッキングのスリルを融合させた超名盤ですが、ここでディ・メオラはフラメンコの名人デ・ルシアを招き、デュオ曲“地中海の舞踏”を収録します。

これでジャズ/フュージョンの世界にその名を知らしめたデ・ルシアは、ジョン・マクラフリンラリー・コリエルという超絶技巧の持ち主たちと、アコースティック・ギター3本だけでのツアーを回りました。翌年にはコリエルに替わってディ・メオラが加入し、「スーパー・ギター・トリオ」の名称でファンに愛されました。このシンプルな名前が、ギターファンからどれほど畏敬の念を持って呼ばれたことか。そしてここでも、“地中海の舞踏”は重要なレパートリーとして欠かさずに演奏されていたものです。

マクラフリンやディ・メオラは、真似はできないまでもどうやって弾いているのか理解はできるし、あと500万年ぐらい練習すればできる気がしますが、デ・ルシアの演奏は見ても何をやっているのかわからない(特に右手。オレは指弾きが極度に苦手である)ので、とにかく圧倒されるしかありませんでした。謹んでご冥福をお祈りいたします。