黒の衝撃
日経BPで「それをやったらブラック企業」というコラム連載が始まりました。昨年の暮れにPOSSEの今野代表にインタビューした記事を載せたことに対する財界への落とし前か何なのか知りませんが、世間から「ブラック企業」とやり玉に挙げられがちな企業の言い分を掲載しています。今回は、ユニクロの柳井社長にインタビューした(編集長が聞き手を務めるあたりは、日経ビジネスのユニクロに対する最大限の配慮を感じる)記事がアップされています。
まぁ要するに
- ウチはブラック企業じゃない、若い社員が甘ったれてるだけだ。
- 働く気がある奴は死ぬまで働け。働く気がない奴は死ね。
そういうことを言ってるだけですね。あと、中国人留学生からファーストリテイリングに入社して、役員まで出世した人のことを賞賛しているんですが、一方で「海外で外国人に使われるのは最悪」と言ってます。外国人が日本人に使われるのは素晴らしいことで、日本人が外国人に使われるのは最悪、というあたりはかなり強烈なレイシズムが見え隠れしますね。本当にグローバルな会社だったら、有能な人材は人種も国籍も関係ないはずでしょ。海外でも日本人が上でなくちゃいけないなんで、そんなのグローバルでもなんでもない、大東亜共栄圏の発想じゃないか。
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あと、柳井社長のすさまじく歪んだキャリア観もなかなか味わい深い。
僕は将来、本当に若者が活躍できる世の中になれば、25歳以上は全員対等に評価すべきだと思っています。科学者やスポーツ選手もそうですよね。年齢など関係なく実力で評価される。ビジネスパーソンも同じようにすべきではないでしょうか。
25歳くらいまでに基本的な考え方を決めて、努力を重ねて35歳くらいで執行役員になる。そして45歳くらいでCEO(最高経営責任者)になるのが、正常な姿だと思っています。
だからこそ、若いころに甘やかされてはいけないと思っています。時間給の人々を批判するつもりはありませんが、それと同じような心構えで若いころから仕事をしないほうがいい。
人間は、仕事以外で成長する方法はないんですから。
人気企業の社長が「人間は、仕事以外で成長する方法はない」と言い切るあたりは、日本の少子化がなぜここまで進んだかを如実に物語っています。
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35歳で執行役員、45歳でCEOになるのが正常な姿だというのもムチャクチャな話です。そんな出世する人はごく一部で、むしろ「異常」な例でしょう。ファーストリテイリングの執行役員が何人いるか調べてみましたが、
http://www.fastretailing.com/jp/ir/news/1211021500.html
33人です。
ファーストリテイリングの社員数が18854人(2012年8月31日現在)なので、ユニクロで働いている人のうち、18821人は柳井社長からすれば異常な人間だということですよ。皆さまの最寄にあるユニクロの従業員は、ほとんどみんな異常人間ってことですね。
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あと、執行役員の中にさりげなく柳井社長の息子がいるあたりも、実に味わい深い。
自分の息子だけは正常な人間だと言い張りたいんだろうなぁ。
んで、柳井社長がさんざん異常な人間性をアピールし終わって、記事の末尾には
なんだこのオチ。