「三者三様」遠くなりにけり

統一教会文鮮明が亡くなったそうです。その後継者争いは日本の政界にも少なからぬ影響を与えそうですが、その陰で、この方もひっそりと亡くなっていました。


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“最古参プロレス評論家”菊池孝さん、死去

 記者歴50年以上、プロレス評論家の最古参と呼ばれる菊池孝さんがお亡くなりました。
 享年79。

菊池孝といえば、ぼくがプロレスファン界に足を突っ込みはじめた80年代初めにはすでに「業界最古参」を名乗るご意見番で、「週刊ゴング」誌上で竹内宏介、門馬忠雄、桜井康雄らとの座談会「三者三様」の中心として辛口評論を述べていたものです。


このベテラン起用からもわかるように「ゴング」は保守的な雑誌でしたが、中でも菊池孝はとくに猪木嫌いで知られた人で、新日本プロレスが過激なアングルを仕掛けるたびに「また猪木が変なことを始めた」と苦言を呈するのが恒例でした。


馬場の死後に全日本プロレスが分裂したときには元子夫人サイドにつき、ノアを設立した三沢光晴一派を「恩知らず」と批判していたものです。


ぼくが、世の中には「保守派」という人種がいることを初めて知ったのは、菊池孝の存在のおかげだったといっても過言ではありません。


今年の5月に、「ゴング」創始者の竹内宏介が65歳の若さで亡くなったときは、葬儀で菊池孝が弔辞を述べ、弔問客の涙を誘ったといいます。出棺のときには、かつて「マスカラスのゴングか、ゴングのマスカラスか」と呼ばれたのにあやかって”スカイ・ハイ”が流れたそうですが、菊池孝の葬儀では誰が弔辞を読むことになるんでしょうか。


ともかく、プロレス黄金期の証人がまたひとり帰らぬ人となりました。謹んでご冥福をお祈りします。