『テルマエ・ロマエ』やっと観賞

そろそろ上映終了となる『テルマエ・ロマエ』を観てきたッス。

テルマエ・ロマエ ?小説版? (KCG文庫)

テルマエ・ロマエ ?小説版? (KCG文庫)

ローマ人役では主演に阿部寛、皇帝に市村正親、側近は宍戸開に北村一輝、と濃い顔のメンツをそろえ、一般日本人役にはイイ顔のおじいちゃんを勢揃いさせるというキャスティングの妙味が生きてました。ルシウスの友人役が実写版『あしたのジョー』でマンモス西を演じていた人だったり、現代日本の家庭にタイムスリップしたときに出てくるおじいちゃんがピカデリー梅田だったりするあたりも楽しいです。竹内力は珍しく東北弁をしゃべっています。ヒロインの上戸彩は漫画に出てくる歴史学者ではなく、漫画家志望(師匠は内田春菊本人)の「山越真美」という人で、彼女の行く先々にルシウスが現れるため、古代ローマに興味を持ってラテン語を勉強するというストーリー展開もそんなに無理がなくてよかったですね。


※以下ネタバレ


















原作を読んでいてもたまに感じる「ルシウスは未来のテクノロジーを真似ているだけで、自分では何も考え出していない」という問題も、上戸彩が「それもあなたが心から望んだからできたことよ」と、うまく解決してくれています。妻に逃げられて自信を失っていたルシウスが、上戸彩の助けによって自信を取り戻すという大きな枠組みもあるため、(現時点での)原作にくらべ、ヒロインの存在が大きくなっています。


タイムスリップものの定番である「このままでは歴史が変わってしまう」というサスペンスもあるし、古代ローマから帰ってきた上戸彩が、コミックビームの編集部に漫画『テルマエ・ロマエ』を持ち込むというメタなオチもいい味です。ただ、欲を言うならここでは奥村編集長に本人役で出演してほしかった。

御緩漫玉日記 (2) (ビームコミックス)

御緩漫玉日記 (2) (ビームコミックス)

はっきり言ってしょうもない話ではありますが、演技やセットなど気合が入っており、大真面目に作っているところがいい味わいを醸し出していますね。当初は興行収入10億円程度と見込まれていましたが、フタを開けてみれば50億円以上の大ヒットとなりました。笑いあり涙あり、加えてヒロインである上戸彩の魅力も充分に発揮されています。本作はイタリアでも公開されるそうですが、たぶんイタリア人からすれば、日本人が鹿爪らしい表情と大仰な演技でローマ人を演じているところがいちばん面白いんじゃないですかね。もしくは日本のおじいちゃんたちが醸し出すイイ湯加減オーラに微笑むとか。あと竹内力は世界共通で「ヤクザ」のイコンとして通用すると思いますね。
ヒロミくん!全国総番長への道 [DVD]

ヒロミくん!全国総番長への道 [DVD]