一寸先は闇
もう五月も終わりだと思うと信じられない。たしか四月の終わりにも三月の終わりにも同じようなことを言っていたような気がする。こうやってもう今年も終わりか、もう三十代も終わりか、などと言ってる間にもう人生も終わりか、なんてことになってしまうのだろう。ダラダラしている暇はない。
といいつつ、伊丹十三の古いエッセイなどをひっくり返して読んでいる。
- 作者: 伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: 文庫
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友人のうちへ遊びにゆくと、奥さんが胡瓜やレタスを刻んで、チューブ入りのマヨネーズをにょろにょろとかけたやつを出してくれる。あれは侘しいなあ。自分の工夫が一つもない。したがって料理でもなんでもない。男は何のために結婚するか。ベッドと食事のためだそうである。ということは料理は結婚生活の五十パーセントではないか。世の奥さまがたは、今少し料理に情熱を持ってくれなければ困るぞ。
第一、そんなことより、自分で作ったマヨネーズというのは断然うまいのである。チューブ入りのマヨネーズや、瓶入りのサラダ・ドレッシングなんぞ問題にもならない。
なんてことを書いている。さすがの伊丹も、それから十数年後に味の素マヨネーズのCMに出ることになろうとは、知る由もなかったようだ。
- 味の素 マヨネーズCM 80年代後期
人生、一寸先は闇なんである。ダラダラしている暇はないんである。