探したぜ、阿修羅…

太宰府市九州国立博物館で、奈良・興福寺の創建1300年を記念した特別展が開かれているそうで。


http://www.asahi.com/national/update/0714/SEB200907140019.html

阿修羅、いきなり長蛇の列 福岡で特別展始まる

 奈良・興福寺の創建1300年を記念した特別展「国宝 阿修羅展」(朝日新聞社など主催)が14日、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開幕した。30度を超える暑さのなか、午前9時半の開館前に阿修羅像のフィギュアを買い求めて約2千人、当日券販売所に約200人が並んだ。いきなり「阿修羅ブーム」のスタートに、九博は入場を15分早めた。

 開館前にこれだけの列ができるのは、05年10月のオープン時以来という。九博の三輪嘉六館長は「全国的な仏像ブームに加え、先に開催された東京での評判も人気に拍車をかけた」と話した。

 3面の顔と6本の腕を持ち、九州初お目見えとなる阿修羅像など、興福寺が所蔵する天平期の仏像など約65点を展示。6月まで開かれた東京国立博物館では約95万人の観客を集めた。

 会期は9月27日まで。原則として月曜休館。入場料は大人1300円、大学生1千円、高校生800円、小中学生600円。

阿修羅 (新人物文庫)

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興福寺の阿修羅像といえば見仏界でもとくに人気の高い像として知られており、海洋堂から発売されたフィギュアもすばらしい売れ行きを示しているとのこと。


http://www.kaiyodo.co.jp/asyura/index.html


こ、これは欲しい。


しかし、ごく一部のプロレス病患者にとっては「阿修羅」といえば「原」だ、というのは常識であります。

プロレス「地獄変」 (別冊宝島 1630 ノンフィクション)

プロレス「地獄変」 (別冊宝島 1630 ノンフィクション)

1980年代後半、全日本プロレスのマットにおいて、天龍源一郎とのタッグ「龍原砲」で一世を風靡した阿修羅原でしたが、金銭にルーズで、借金取りが会場まで押し掛けてくるという有様のためジャイアント馬場社長によって解雇されたのでした。

  • 阿修羅原、全日本を解雇される


ちなみに、ジャイアント馬場はときどきこういう身も蓋もない会見をすることがあった人で、天龍同盟に対抗して三沢光晴(当時はタイガーマスク)、仲野信市田上明高野拳磁高木功らが結成した「決起軍」を、「名前だけでぜんぜん決起しとらんから解散させます」と当人たちを記者の前に出さずに発表したこともあったものでした。

新・馬場派プロレス宣言 (小学館文庫)

新・馬場派プロレス宣言 (小学館文庫)

この辺のシュートさは馬場に特有で、猪木にはなかった要素なんですよねぇ。


阿修羅原は、天龍からは「阿修羅」と呼ばれていたのがファンに強い印象を残しており、原田久仁信の『プロレス地獄変』でも、北海道で隠遁生活を送る原のもとを「探したぜ、阿修羅…」と言いながら天龍が訪ねてくるという男泣きの名場面があったものでした。二人ともお互いの顔を見ないで、荒れる冬の海を眺めながら話すというのがまた天龍の男っぽさをいやがうえにも増すんですよね。お互いの呼び名が「源ちゃん」「阿修羅」なのも、ことさら味わい深い。


あと、SWSで復帰して以降の阿修羅原は、VAN HALENの"Dreams"を入場曲として使用していたのはあまり知られていないと思います。


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おそらく、日本プロレス史上もっとも似合わなかった入場テーマの一つだと思われます。