2009年度 小説家・ライター講座のごあんない
4月18日(土)、仙台文学館で小説家・ライター講座を受講してまいりました。
講師は、文藝春秋社取締役の白幡光明さん。
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/04/10
- メディア: 雑誌
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- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/09
- メディア: 単行本
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背伸びして難解な言葉や言い回しを書いても、それが書き手の身の丈に合っていなければ、自分の文章にはなりません。
なので、難しい言葉で書きたければ、それに必要な教養がちゃんと自分の血肉になるまで、勉強と練習が必要なんですね。
例えば、北方謙三は歴史小説の分野に挑戦するために一年の休筆期間を置き、その間に、集めた資料を徹底的に読み込んだそうです。
そのような努力を可能にするのは、人生経験を自分の中の引き出しにする、好奇心の強さです。
森村誠一は、外出するときはいつもカメラを持って歩き、興味を引くものがあればパチリと撮影しているそうです。
- 作者: 森村誠一
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/04/10
- メディア: 新書
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で、あるとき、防犯カメラを設置している家を見つけた森村先生。
これはきっと暴力団関係者の家だろう、と思いながらも興味をひかれて撮影していたら、撮影をはじめて6分30秒後にゴリラみたいな人が出てきて、追い出されました。
この”6分30秒”というのが重要で、つまり森村先生は撮影をはじめてからヤクザが出てくるまでの時間を計っていて、その長さによって邸内の様子を想像していたんですね。すぐ出てくれば中は相当ピリピリしている、なかなか出てこないなら不審者には慣れっこになっているかそもそもモニターを見ていない、という風に。
そうやって、ちょっとしたことからストーリーを展開させていく、想像力を鍛えることが大事なんですね。
他にも、小池真理子の直木賞受賞パーティでの藤田宜永のスピーチとか、大沢在昌の夜遊びとか、グッと来るお話をいくつも聞かせていただきました。
- 作者: 小池真理子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/12/25
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この「小説家・ライター講座」は、山形市にある東北芸術工科大学による「東北ルネサンス・プロジェクト」の一環として2007年から、評論家の池上冬樹先生をコーディネーターとして開かれているものです。
今年度の予定は以下のとおり。
開催日 | 講座テーマ | 講師 |
---|---|---|
5月9日(土) | デビューするまでの葛藤と苦労 | 深町秋生・柚月裕子(「このミス大賞」受賞作家 |
6月13日(土) | デビュー30周年 過去・現在・未来 | 大沢在昌(直木賞作家) |
7月18日(土) | 文体をきたえるテクニック講座 | 中条省平(学習院大学教授、評論家) |
8月22日(土)*1 | 小説における描写をめぐって | 小池昌代(詩人・川端康成文学賞作家 |
9月19日(土) | ひとつの小説が生まれるまで | 片岡義男(作家) |
10月24日(土) | 人生の後半で書き始めた小説 | 北重人(大藪春彦賞作家) |
11月21日(土) | 作家の何に注目するのか | 北上次郎(文芸評論家) |
12月19日(土) | 作家が脱皮するとき | 村山由佳(直木賞作家) |
1月23日(土) | なぜ小説を書くのか | 角田光代(直木賞作家) |
2月20日(土) | 小説の持つ力 | 熊谷達也(直木賞作家) |
3月20日(土) | 小説を書き続けるには | 佐伯一麦(三島由紀夫賞・野間文芸賞作家) |
会場は、8月を除いて仙台文学館講習室で行います。
受講料は、一講座につき一般2000円、東北文化友の会会員・学生1500円、東北芸術工科大学生・高校生以下は無料です。
お申し込み、お問い合わせは東北芸術工科大学東北文化研究センターまで。
http://gs.tuad.ac.jp/tobunken/
Tel.023-627-2168
これほど豪華な講師陣には、めったにお目にかかれません。仙台近郊にお住まいで文章に興味のある方は、いちど足をお運びください。