月は地獄だ！ - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

山本弘会長が、こんな話を紹介しています。

トンデモさんがはびこる世間の、科学を軽視する風潮を嘆くいつもの調子ですが、ここでも「グループディスカッション」が話題になってますね。

問題：あなた方８人の乗った宇宙船が、月面に不時着しました。救助隊とのランデブー地点まで180kmを、歩かなければなりません。持ち出せた品物は次のリストです。優先順位をつけてください。

酸素ボンベ（40kg×8）
飲料水（30L×8）
パラシュート
４平方メートルの白い布
ビスケット
粉ミルク
非常用信号弾
宇宙食
ライター
45口径の拳銃
方位磁石
無線機（受信のみ）
救急用医療セット

これ、出題者は「質問は一切受け付けません」と『カイジ』の利根川さんみたいなことを言ってますが、わかんないことだらけですよね。宇宙服を着たまま飲食は可能なのか、宇宙食は何日分あるのか、ランデブー地点までは道かなんかあるのか、拳銃はリボルバーなのかオートマチックなのか、疑問だらけです。

アメリカ銃の謎 (創元推理文庫 104-10)

作者: エラリー・クイーン,井上勇
出版社/メーカー: 東京創元社
発売日: 1961/04/14
メディア: 文庫
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いちおう、酸素がなくても銃は撃てます。火薬には酸化剤も含まれてますしね。

まぁ、ふつうに考えれば酸素が一番で水が二番、宇宙食が三番で医療セットが四番、無線機が五番であとは別にいらないと思うんですが。ライターは酸素がなければ意味ないし。でも非常用信号弾は、宇宙仕様になっているなら必要かも。月の重力が地球の６分の１だということを考えれば、一人あたり70kg以上の荷物もそんなに苦にならないでしょうしね。

180kmというとけっこうな距離で、東北自動車道の川口JCTから福島県の矢吹ICまで、仙台を起点にすれば盛岡まで行くのと同じぐらいです。歩くとなると、時速４kmで計算すれば45時間、一日に8時間歩くとすれば６日ぐらいかかることになりますが、月面では時速10kmぐらいは出ると思うので、３日目にはたどりつくことになりますね。水と酸素は充分に間に合いますが、トイレなどかなりの問題が残ることになるでしょう。いずれにしても、もっと情報がほしいところです。

それにしても、月面でサバイバルするというこの設問は、ジョン・W・キャンベルの『月は地獄だ！』から影響されてるんじゃないですかね。