時には娼婦のように
今月号のヤングキングアワーズで、二宮ひかる先生の新連載『シュガーはお年頃』がはじまりました。
YOUNGKING OURS (ヤングキングアワーズ) 2007年 10月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 雑誌
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主人公は、女子高生のけいこ。
小学生の頃、「将来の夢」として”何にもなりたくありません”と発表した彼女は、成長した今”娼婦になりたい”という願望を持っています。
その願望を、携帯で開設した(パソコン持ってないという設定)ブログで吐露した彼女ですが、一晩でコメントが117件つくという炎上になります。
クラスのオンナノコ社会にもなじめず、コメントはさらに伸びてゆく。
鬱屈した思いをぶちまけるように、踏み切りの前に立った彼女は、警報音にまぎれて黒沢年男の『時には娼婦のように』を大声で歌い、通過する電車に向かって、
あ〜〜〜!!
セックス!! したぁ〜〜〜いッッ!!
と叫びます。
ところが、その姿を図書委員の美少女に見られていたけいこ。
謎めいた笑みを浮かべる彼女との出会いは、けいこに何をもたらすのか…?
というお話でした。
すごいなぁ。今どきの女子高生は『時には娼婦のように』なんて知らないよ。
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- ジャムおじさんの『時には娼婦のように』
この作品、なかなか特異な傾向を持っています。
というのも、ヒロインがあんまり可愛くないんですね。
男の子向けの漫画では、女の子が複数出てきた場合、ヒロインはいちばん可愛い子がなるという不文律があります。
たとえ、作中の設定ではもっと美人の(ということになっている)子がいたとしても、ヒロインは読者の目でいちばん可愛い子がなるものであり、ときには読者の人気によってメインヒロインが交代することもあります。
ところが、この『シュガーはお年頃』では、ヒロインのけいこはどう見ても美少女とは言いがたいルックス。
髪の毛は短くてボサボサ、お肌はそばかすだらけで、いつも不貞腐れたような目つきにへの字口。およそヒロインらしくない特徴ばかりを備えています。原型となった短編では、主人公はもっと髪にボリュームがあって可愛らしかったんですけどね。
ただ、元は痩せてて貧弱な体つきだったのが、連載版ではだいぶ胸が大きくなっているのでその点はヒロインっぽい*1と言えなくもない。
決して女性向け雑誌ではないアワーズで、こういうタイプの主人公を設定するのはけっこう冒険だと思います。
ウケるといいなぁ。
あと、主人公が開設したブログですが、”娼婦になりたい”って書いたぐらいでそんなに炎上する(最終的には999件コメントがついて、閉鎖する)モンかなぁ。
コレがもしはてなだったら、絶対そんな事態にはならないね。コメント欄の字数制限もあるし。
男女論の大好きなお歴々やら、フェミニストのお姉さま方やら、村長さんやらがこぞってネタにはするだろうけど。
まぁアレですよ。
そういうことは増田で書け!
と。
*1:男性向け漫画のヒロインは巨乳が多く、女性向け漫画の主人公は痩せ型が好まれる。