Stay with me

本日は二・二六事件から70周年です。

これは、事件の首謀者の一人として処刑された磯部浅一元陸軍一等主計を主人公に、革命に失敗した男が、自分を理解してくれなかった天皇に対し呪いの言葉を吐きながら死んでいく姿を描いた漫画です。


最近は保守派で知られるかわぐちかいじも、昔はこんな漫画を描いていました。


個人的には北一輝より北村一輝の方が好きなので、とくに226事件に対しどうこう言うこともないです。

この映画の中では、北村氏と伊武雅刀だけがいい味を出していました。



それはそうと。


ナポレオン・ダイナマイト」を観ました。

バス男 [DVD]

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言われつくしていることではありますが、この邦題はねえよなぁ。

バス男、というからにははかた号に二日連続で乗るくらいの偉業は達成しておいてもらいたいものです。
けつの肉がボロボロ取れる夢を見ながらね。


映画の感想をいうと、叔父さんのダメ人間ぶりが印象的でした。

ありもしない過去の栄光にすがりついて、現在も未来もロクに見えてない人は世間によくいます。

「あの頃はよかった」というボヤキを言い始めたらもう老人の仲間入りですよ。気をつけましょう。


他にも、ペドロのイトコたちがガッタンガッタンいうアメ車に乗って現れるところ(あれってチカーノの文化なのね。日本のヤンキーも真似してるけど)とか、ナポレオンの兄貴が、チャットで知り合った黒人セクシー美女に感化されてファッションセンスが激変するあたりとか、もちろんナポレオンのダンスとか、笑い所はいっぱいあります。



ちょっと辛いかなー、と思ったシーンも。


ダンスパーティに女の子を誘う勇気のないナポレオン。「僕にはなんの取り得もないし…」とネガティヴな彼に、ペドロは「キミは絵が上手いじゃないか」と励まします。

そして、その気になったナポレオンは意中の女の子の肖像を描いて贈るのですが、これがド下手なんだ。
嫌オタク流」で中原昌也が描いたイラストよりも下手なの。

嫌オタク流

嫌オタク流

「誰にでも一つぐらいは取り得がある」なんてウソだね
という辛辣な人間観察。

コイツに比べれば、のび太なんてあやとりと射撃の天才。恵まれたもんです



でも、何も取り得のないヤツであっても、大事なのはいっしょうけんめいやることなんだよ!

という、月並みなメッセージですが、その立脚点には共感できるものがありました。



取り得の有る無しなんて、実はそんなに大したことじゃない。
「そこにいる」ということの方が、友達にとってはるかに大事なこと。