金田一耕助西へ行く
古典的推理小説には「ノックスの十戒」とか「ヴァン・ダインの二十則」という、創作上のマナーのようなものがあります。
といっても、こういうルールというのは破るためにあるようなもので、これを破った名作というのもまた枚挙に暇がありません。
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,羽田詩津子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 文庫
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さて、横溝正史先生の金田一耕助シリーズにも、このルールを逸脱した名作があります。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1973/02/20
- メディア: 文庫
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帝銀事件をモチーフとした大量毒殺事件を背後に、斜陽華族の惨劇を描いた、醜悪さと耽美の程よくミックスされた作品です。
この小説が二十則のどこを破っているかというと、第16「よけいな情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。」ですね。
作品の中盤において、事件の鍵を握る過去の秘密を調査するために金田一耕助は須磨へと旅します。
その旅程のゆったりとした情景描写は、当時の評論家からも「味がある」と絶賛され、ご本人もそこに自信をお持ちのようでした。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2005/05/11
- メディア: DVD
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goo映画: Movie × Travel — 旅のような映画 映画のような旅
こちらは、東映で映画化されたバージョン。金田一耕助を演じているのは西田敏行。人間味ありすぎです。おまけにヤミ屋のボスは梅宮辰夫。さすが東映。
で、この映画で金田一に同行して須磨に行く出川刑事が、藤巻潤。大山倍達の義弟ですね。
- 作者: 大山倍達
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/02
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漫画化もされており、こちらは定評のあるJET先生によるもの。
悪魔が来りて笛を吹く (あすかコミックスDX―名探偵・金田一耕助シリーズ)
- 作者: 横溝正史,JET
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/11
- メディア: コミック
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こちらは、影丸穣也先生によるもの。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: コミックス
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫
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・・・あんまり聞かない形態ですね。