マーフィーの法則

前田日明の「自伝」として第二次UWF旗揚げのころに出版された『パワー・オブ・ドリーム』には、「イギリスでハゲ頭のスカル・マーフィという悪役と対戦したが、イヤな奴だったので逆十字で腕を折ってやった」というエピソードがありました。

パワー・オブ・ドリーム (角川文庫)

パワー・オブ・ドリーム (角川文庫)

しかし、力道山の鎖骨を傷めたことでも有名なアメリカの悪役レスラー、スカル・マーフィは、1970年にピストル自殺を遂げているため、これは著者の勘違いかもしくは二代目がいたのだ、と前に書いたことがあるんですけど。
プロレス暗黒伝説 - 男の魂に火をつけろ!


んで。


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こちらで紹介されていた、前田日明のイギリス遠征時代の試合をYouTubeで見ました。

  • Kwik-Kik Lee (Akira Maeda) vs Skull Murphy pt.1

  • Kwik-Kik Lee (Akira Maeda) vs Skull Murphy pt.2

対戦相手は、ちゃんと「スカル・マーフィ」って名乗ってますね。体格的にも細身で、明らかに初代とは別人だということがわかります。二代目がいたんですね。


プロレスもだいぶ長く見てましたが、まだまだ知らない事実があったんだなぁ。どこまで行っても深い世界ですね。


ちなみに、初代スカル・マーフィはこちら。

  • アントニオ・ロッカ&ミゲル・ペレス組vsスカル・マーフィ&カール・フォン・ヘス組


アントニオ・ロッカというのは、1950年代から60年代にかけてニューヨークで絶大な人気を誇ったイタリア人レスラー(70年代ぐらいまでのニューヨークでは、イタリア系レスラーがベビーフェイスだった。ブルーノ・サンマルチノとか)。
裸足で戦う独自のスタイルで、ドロップキックやアルゼンチン・バックブリーカーを得意としておりました。アントニオ猪木のリングネームはこの人にあやかって命名されたともいわれており、また、梶原一騎原作によるジャイアント馬場の伝記漫画『ジャイアント台風』では、必殺のバックブリーカーで日本人柔道家の背骨を折って殺したこともある、非情かつ人種差別的な男として登場してきたものです。

ジャイアント台風―ジャイアント馬場物語 (1) (講談社漫画文庫)

ジャイアント台風―ジャイアント馬場物語 (1) (講談社漫画文庫)


さすがの初代スカル・マーフィも、この英雄の前ではかたなしだったようですね。力道山の鎖骨は折っても、殺してはいないもんなぁ(というか、ロッカがこの漫画を知ったら名誉毀損で訴えられてもおかしくないレベル)。