戦争と人間

さて、「戦争映画ベストテン」を受付中なわけですけど、何の気なしに「戦争映画」に分類していた作品が、よく考えると戦争映画じゃないということに気づきました。


たとえば、『シンドラーのリスト』に代表されるホロコーストもの。



ツイッターで「ホロコーストものは入りますか?」と聞かれて「入ります」と即答したんですけど、よく考えたらホロコーストはドイツのドメスティックな政策であって、外国との戦争ではないんですよね。
これを戦争映画から除外するとなると、シャーロット・ランプリングの妖艶さと頽廃の魅力が横溢していた『愛の嵐』も、戦争映画には入らないことになる。

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とはいえ、厳密にいえば戦争ではありませんが、ホロコーストは戦時でしかあり得ない事態でもあり、第2次世界大戦を構成する重要な部品のひとつと考えられるので、今回は入れることにします。歴史上の虐殺事件には、ホロコーストのように戦争と関係の深いものもあれば、文化大革命のように戦争とは無関係のものもありますが、どこまで入れるか、その辺の判断はみなさんにおまかせします。


あとは、日本に多い『仁義なき戦い』のような戦後映画をどう捉えるかという問題もあるし、ナチスものでは『地獄に堕ちた勇者ども』のように戦時が舞台ではないものもある。

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どこからどこまでを該当ジャンルに含めるか、というのは当ベストテンで毎年恒例の、頭の痛い問題ではありますが、迷ったときは、わがベストテンでは大原則である「迷うぐらい微妙なら入れてよし」を適用してくださいますよう、お願いします。