フェアネスという概念
ここ数日の国会で見られた醜態は、まぁあれこそが現代日本の縮図だよなぁと思うしかないです。
委員長のまわり数人だけでごにょごにょやって「はい採決しました」ってのもすごいし、あと小西洋之議員は棚橋弘至のビデオを百回みてハイフライフローの練習をするべきだと思うし、佐藤ヒゲ隊長の直突きはスローモーでお話にならないので、しばらく日本拳法の道場にでも通えばいいと思う。どうしても日本国憲法を無視するってんなら、せめて日本拳法だけでも勉強してほしいモンです。
- 作者: 森良之祐
- 出版社/メーカー: 東京書店
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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それにしても、あの辺をめぐるネットの反応もなんとも香ばしくて、ホリエモンがSEALDsの悪口を言いまくるのはまぁああいう人だから仕方ないけど、憲法違反の疑いがきわめて濃厚な(最大限控えめな表現)法案を、規則で定められた手続きを無視して採決したというのに、「野党のやり方が下品」とか「デモ隊がゴミを散らかす」とか「投票時には国旗に一礼しろ」とかつまらない難癖がいっぱい出てきてるのが実に味わい深いというか。
たとえていうなら、
- グラウンドに野手を30人も入れて打球を逃さず取っているチームが、相手バッターがガムを噛んでいるのを「マナー違反だ」と抗議する
- ヘルメットをかぶってバットを振り回しているボクサーが、相手のボディブローを「ローブローだ」とアピールする
- ボールを手で持って相手ゴールに突っ込んだサッカー選手が、相手ディフェンダーが倒れ込んだのをシミュレーション行為だとアピールする
- 呼ばれてないよそのリングに勝手に上がってきた自称プロレスラーが、引きずりおろされそうになって、ロープをつかんでブレイクを命じる
- 推理小説を万引きして読んだ犯人が「この謎解きはアンフェアだ」と作者のツイッターアカウントにクソリプを送る
そんな感じの倒錯を感じなくもないですねぇ。出版界では、表紙の題字など大きな誤植ほど見逃されることがあるといいますが、基本的なルールそのものを無視するのも同じように見過ごされるんでしょうかねぇ。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: Kindle版
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小説としての面白さは文句のつけようもないんだけど、終盤で連続毒殺事件の犯人がわかったときに金田一耕助が「僕は最初からあの人を疑っていた。実は、あの人は前にも家族を毒殺している」と、それまでまったく読者に明かされていない情報を出してくるので「そりゃねーよ」と思ったモンでした。でも横溝先生はすでにお亡くなりになっていたので、わざわざ文句を言いはしなかったし、あと祖母が持ってた本をもらって読んだので万引きでもありません。それと『八つ墓村』は本格ミステリというより伝奇ロマンなので、推理がアンフェアでもそんなに大きな問題でもないなと思いました。
なお、要蔵の32人殺しばかりが印象に残っていて、ホラーだと勘違いしている人も多い『八つ墓村』ですが、ラストはあり得ないぐらいの超ハッピーエンドなので、未読の人は読んで印象を変えてもらいたいです。
※以下『八つ墓村』のストーリーを要約しますが、ネタバレのため反転
天涯孤独だった主人公が突然「お前は田舎の金持ちの息子だ」と言われ、迎えにきた初対面の祖父は出会って2.5秒で血を吐いて死に、ぜんぜん知らないのに疑われつつ田舎まで行くと、実は死んだ父親は史上最悪の殺人鬼で、地元のレッドネックから嫌がらせを受け、初対面の兄貴も出会って2.5秒で血を吐いて死に、警察と地元のレッドネックに疑われ、ウザい親戚がウザ絡みしつつどんどん血を吐いて死に、犯人だと誤解した地元のレッドネックたちに自分も殺されそうになるものの、真犯人は自滅して死に、ウザ親戚も全滅し、ていうか本当は親戚でもなんでもなかったことが判明し、本当の本当の父親と再会し、洞窟の埋蔵金とロリっ子嫁をゲット、しかも一発孕ませに成功する。
いや、ホントにそんな話なんだってば!
安保法案とか真面目な分野からずいぶん遠いところまで来たけど、そんな話題でも語ってなきゃやってらんねえよ!