島育ち
最近の日本では「戦争になる前に敵をぶっ潰せば平和が保たれる」という意味で「積極的平和主義」なる言葉がさかんに連呼されていますが、もとの言葉を提唱した人物からは「意味が違う」と批判されているようです。
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で、本来の「積極的平和主義」からいえば無視できないのが、内線が続くシリアから流出した、多数の難民であります。
西欧諸国への玄関口となるハンガリーでは、ブダペスト東駅で数千人のシリア難民が足止めを食っていましたし、トルコの海岸では、ギリシャを目指していたボートが沈没して、溺死した幼児の遺体が打ち上げられて世界中に衝撃を与えました。いつの世も、犠牲になるのは小さく弱いものたちなのです。
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で、ギリシャでは本土のみならず、離島へも難民が殺到しているとのこと。
難民流入で「爆発寸前」、ギリシャ・レスボス島 担当相 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
【9月8日 AFP】ギリシャの移民政策担当相は7日、同国のレスボス(Lesbos)島に押し寄せている主にシリアからの難民1万5000人以上により地元住民の生活に大きな影響が出ているほか、一部で暴力行為も報告されるなど、島での状況が「爆発寸前」であることを明らかにした。
移民担当相は、同島の住民8万5000人の負担軽減を目的に、島に押し寄せている難民らをギリシャ本土に移動するための別の経路を新たに確保するとラジオを通じて述べた。
担当相は「ミティリニ(Mytilene)の町には現在、1万5000〜7000人の難民がいる。これは、全省庁から集計した公式人数だ。現状は爆発寸前だ」と語った。レスボス島は、数千人の移民流入に頭を悩ませているギリシャの島々の一つ。彼らの多くは、近くのトルコ沿岸から船でやってきたシリア難民だ。
レスボス島ではここ数日、登録手続きの遅れをめぐり、警察と移民、あるいは異なる国籍の移民同士での衝突がたびたび発生している。この遅れにより、欧州各地へと向かう難民らは、ここでの足止めを余儀なくされている。
6日には、シリア難民に火炎瓶が投げつけられ、警察の増援部隊が島に出動する事態にも発展。この事件では、17歳の少年2人が、公園で眠っていた難民らに向かって火炎瓶複数を投げつけたとして逮捕され、シリア人男性1人が負傷した。
ギリシャ沿岸には今年、23万人以上の難民が上陸している。ここ数週間は、夏の穏やかな気候もあり、その数が急増している。(c)AFP/John HADOULIS
移民へのヘイトクライムもすでに発生しており、もはや一刻の猶予もないといった状況がわかります。レスボス島の面積は香川県より少し狭い程度ですが、人口は10分の1以下(香川県の人口は約100万人で、うどんの消費量は一日あたりおよそ100トンに達する)なので、そこに1万人以上の難民が押し寄せることでどれほどの困難が発生するか、想像に難くないでしょう。「爆発寸前」という形容は、けっして大げさではないと思います。
それにしても、深刻極まりないニュースではあるんですが、「レスボス島が爆発寸前」という文字列には、どうしても『桜trick』的な味わいを感じてしまうというか。
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「レズビアン」という単語の本来の意味は「レスボス人」であり、この言葉が女性の同性愛を指すことは地元では歓迎されておらず、地元住民がギリシャのLGBT団体に「団体名から“レズビアン”の語を外せ」と訴訟を起こしたこともあるほどです。日本でいえば、“アキバ系”が萌えオタの代名詞になったことに対して、古参の電気街ファンが抗議するようなものでしょうか。
深刻きわまりない難民のニュースから、地名だけでセクシャルなネタを連想してしまうあたりは、オレも長年の平和で頭がボケているようです。常在戦場、の気持ちを持たなアカンですね。
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