カラテ地獄変(金銭的な意味で)

空手超バカ一代 (Bunshun Paperbacks)

空手超バカ一代 (Bunshun Paperbacks)

正道会館石井和義宗師が脱税で刑務所に行ったのはよく知られていますが、今度は極真会館にも巨額の脱税が指摘されました。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111110-OYT1T00799.htm

極真会館松井章圭館長に30億円追徴課税

 総合人材サービス会社の旧グッドウィル・グループ(GWG)による人材派遣会社の買収を仲介した格闘技団体「国際空手道連盟極真会館」の松井章圭館長が東京国税局の税務調査を受け、仲介を巡って受け取った約100億円の所得の申告方法に誤りがあったとして、過少申告加算税を含めて約30億円を追徴課税されていたことがわかった。


 関係者によると、松井館長は2006年10月に実施されたGWGによる人材派遣会社「クリスタル」の買収の仲介に関与。その際に仲介した投資ファンドに出資しており、07年に分配金として株式と現金合わせて約100億円を受け取った。


 申告の際には、これらを譲渡所得と申告し、所得税額は十数億円だった。しかし、東京国税局の税務調査で、これらは、株や現金を譲り受けたことによる所得ではなく、仲介の報酬に当たるなどとして税率の高い雑所得と認定されたという。この買収を巡っては、仲介した投資事業会社「コリンシアンパートナーズ」元社長の公認会計士らが東京地検から法人税法違反で起訴され、東京地裁で有罪判決を言い渡されている。

一撃の拳松井章圭

一撃の拳松井章圭

極真会館大山倍達総裁が亡くなってからは四分五裂し、いまは「極真空手」といっても誰が館長の極真なのかいちいち確かめなければならない時代ですが、中でも正統後継者と目する人が多い松井派の館長が、まさかの金銭スキャンダルです。武道家というのは清廉でなければならない、と『空手バカ一代』では説かれていましたが、実際には大山総裁もかなりお金(マネー!)にはうるさい人だったそうですし、なんでしょうね、空手家ってのは脱税したがる習性でもあるんですかね? 空手家ってよく牛を倒したり豚を倒したり熊を倒したりしますが、最強の敵は税務署だったってことですかね?
地上最強への道―大山カラテもし戦わば (ちくま文庫)

地上最強への道―大山カラテもし戦わば (ちくま文庫)


それと、記事中に「格闘技団体」と紹介されているのに少し違和感をおぼえました。ふつう「格闘技団体」といったら、UFCとかパンクラスとかDEEPとかみたく、プロ興行として試合を開催する主体の組織を指すんであって、極真のようにアマチュアの競技団体のことはそう言わないと思うんですが、読売新聞的には極真はプロ空手なんですかね。


しかしまぁ、サイドビジネスにしてはチト規模がデカ過ぎる金額ですね。そもそもなんで武道家が派遣会社の買収を仲介するのか、見当も付きません。派遣社員が待遇について文句を言ってきたらカラテで黙らせる、ってわけでもないでしょうし、それとも、屈強な内弟子を重労働専門の派遣社員として登録させておいて、給料は館長がいただく、というシステムでもまさかないでしょう。


いずれにせよ、これで緑健児や増田章や三瓶啓二といった分裂諸極真流派の人々がどう思うのか、興味ありますね。とくに増田章は宿命のライバルといわれた人だけに、なにかコメントが欲しいところです。公式に発言するのがヤバいんだったら、それこそ増田にでも吐き出せばいいわけですから。

増田章 吾、武人として生きる (BUDO‐RA BOOKS)

増田章 吾、武人として生きる (BUDO‐RA BOOKS)

関係ないけど

「せんだい文学塾」公式ブログができました。


http://yaplog.jp/s-bungaku/


細々した告知やちょっとしたお便りなど、こちらで発信いたします。ぼく以外にも運営委員がそれぞれポチポチと書いていきますので、お暇なときには覗いてみてくださいな。