腹を割って話そう

町山智浩さんが、twitterで『もしドラ』映画化について毒づいたのが、意外な反響を起こしたようで。


町山智浩さんのつぶやきと世界の人たち - Togetter


監督本人から「見たんですか?」と聞かれ、「見てません、すみませんでした」と謝る素直な町山さんです。まぁ町山さんが文句を言いたいのは、映画そのものより、ひどい内容のベストセラーを安易に映画化するその企画だと思うんですけどね。


んで、別な方面から町山さんにツッコもうとする人たちが出てきます。


町山さんが「ドラッ”ガ”ー」と書いたことをサカナに、「バレバレですよ」なんてドヤ顔をして語ってる人もいますが、町山さんはまるで相手にもしてないですね。


だいたい今まで、町山さんにケンカを売ってきた相手が何度「町田」と呼んできたかを考えると、このぐらいは屁みたいなもんですよ。なんでみんな判で捺したように「町田」なのかなぁ。


んで、困ったことに、あのクズ本の担当編集者までが絡んできます。

すごいなぁ。いくらお仕事とはいえ、あのクズ本を「まったくのエンターテインメントとして仕上げてある」「すばらしい導入になります」と言い張るところはプロ根性を感じます。この人も、顧客に対する「真摯さ」とやらを学んだのでしょうか。たぶんこの人にとっての「顧客」は読者じゃないんでしょうね。こういうビジネス啓発書の気持ち悪さを町山さんは全力で罵倒してたのに、そのキモさ全開で絡んでくるんだから、なんというかお仕事って大変ですねえ。


でも、町山さんの反応はクールです。


それでも引き下がらないのが、担当編集者のプロとしての「真摯さ」なのでしょうか、それともこのあしらいの冷淡さに気づかないほど文章に暗い人なのでしょうか、さらに食い下がります。

わはははは。まったく通じてないよ。この人ホントに出版社の人間として大丈夫なの? まぁビジネス書屋さんだから文章なんか読めなくてもいいのかもしれませんけどね。


およそ四年前の古いエントリですが、こんなのが話題になったことがありました。
推理小説を書くのに、こんなに「ルール」があるって知ってた? : ある編集者の気になるノート
ノックスの十戒ヴァン・ダインの二十則について、「こんなルールがあるって知ってた?」と編集者さんが紹介しているのですが、そんなの常識の範囲内だろ。
こちらはそんな編集者がいることに驚きましたが、この人も文芸やエンタメではなくてビジネス書の編集者だったようで一安心したものです。ビジネス本の世界ってすげえなあ。


んで、肝心の『もしドラ』映画版ですが、町山さんの相棒(まだそう表現してもいいのかな)柳下毅一郎さんはさっそくご覧になったようで。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011): 映画評論家緊張日記

初日に劇場に行ったらガラガラだった。国民的アイドルだというAKB48のファンはどこにいるのだ!? やはり映画入場券の半券でAKB総選挙に投票できるようにするとかしないといけなかったのではなかろうか? その意味で、まだまだこの映画作者たちは顧客のことを考え抜いていないと思わずにはいられない。ちゃんとドラッカーに学んでいるのか?

最大の問題はチームが強くなるプロセスにまったくドラッカーが関与してないってことである。「チームの目標を統一する」とか「練習を工夫する」とかそんなの強豪校ならどこだってやっている。というかぜんぶ『おお振り』で百万倍ちゃんとしたかたちでやっているではないか。

そもそも「野球部」が「感動」を提供する組織なのであれば、別に甲子園出場なんかしなくたっていいはずだ!もっと片親の選手とか難病で死ぬ選手とかいっぱい出して、何かするたびにマネージャーがおいおい泣く。それが今の映画の「顧客」が求めている「感動」じゃないのかね!

わはははは。メッタ斬りもいいとこです。さすがに容赦ねえなあ。


でもぼくはですね。実は、観にいこうかどうか迷ってるんですよ。


AKBにはまったく興味ないし、ハックルのおっさんや秋元康に金が回るのは我慢ならないところではありますが、この予告編はオイシすぎるでしょ。


この、大泉洋「そんなピッチャーいないんだ!」というセリフだけで、どうでしょうバカとしては満点ですよ!


腹を割って話した

腹を割って話した

ドラッカーとかマネジメントとかいう前に、まずはナインと腹を割って話すことが大事だと思いますね!