必殺仕上人
「月刊電撃コミックガオ!」という雑誌で、中山文十郎原作の『仕上げに殺陣あり』という漫画が連載開始されました。
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わりと美少女系の作品が多いのですが、今回は時代劇。
- オープニングは七五調の口上
- 主人公は殺し屋(この手の雑誌には珍しい中年おやじ)
- 元締めの配下、チームを組んで悪党を仕置する
完全に必殺シリーズのフォーマットに則った作りになっています。
そもそも、中山文十郎というペンネーム自体が、『助け人走る』で田村高廣が演じていた主人公から取ったものだったわけですが、今回ようやく必殺シリーズをネタにすることになった、ということでしょうか。
この漫画では、主人公たちは「仕上人」と呼ばれており、本来なら『必殺仕上人』というタイトルにするつもりだったんでしょうね。
必殺シリーズは、1972年の『必殺仕掛人』から20年にわたって続いたのですが、シリーズ中盤のころにはタイトルがネタ切れになり、1976年に放送されたシリーズ第7弾『必殺仕業人』のときは、タイトルを一般公募するという試みが行われました。
たぶん、このとき「仕上人」という案を出した人もいたでしょうね。
1974年のシリーズ第4弾、『暗闇仕留人』第17話「仕上げて候」では、中村主水たち「仕留人」と、別の殺し屋組織「仕上げ屋」の抗争が描かれ、糸井貢(石坂浩二)の妻あやが巻き込まれて殺される、というシリーズの転機となる話がありました。
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今回の『仕上げに殺陣あり』の主人公たちが、この「仕上げ屋」と関係あるのかどうかはまだわかりませんが、たぶんないでしょう。
で、『仕上げに殺陣あり』第一話ですが。
主人公(剣を使う浪人)が標的を襲うと、別口で依頼を受けていた別組織の殺し屋(美少女)とかち合い、それが実は主人公の生き別れの娘らしい、という展開になっています。
この、「同じ標的を狙う別の殺し屋とかち合う」というシチュエーションは、『必殺仕掛人』第一話「仕掛けて仕損じなし」や『必殺仕置屋稼業』第一話「一筆啓上地獄が見えた」、及び20話「一筆啓上手練が見えた」など、必殺シリーズによく見られたものです。
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また、殺し屋が生き別れの親族と意外な再会を果たす、というシチュエーションも、『必殺仕掛人』第23話「おんな殺し」を彷彿とさせるものがあります。
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『仕上げに殺陣あり』というタイトル自体も、『必殺からくり人』最終回「終わりに殺陣をどうぞ」を連想させますね。
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まぁ雑誌の性格上、萌え的な美少女が登場することは避けられないわけですが、そのハードルを越えてチェックしてみると、かなりマニア向けなクスグリが散りばめられていて、意外に中高年の必殺ファンも楽しめるかもしれませんよ。