ヒャッハー特区構想
どういうわけか、安倍晋三という人は「残業代ゼロ」法案に対して特異なこだわりを持っていますね。第一次内閣のときもホワイトカラー・エグゼンプションを導入しようとしたものの、OPPが発動して立ち消えになりましたが、今度もまた持ち出してきました。
朝日新聞デジタル:「解雇しやすい特区」検討 秋の臨時国会に法案提出へ - 政治
【山本知弘、清井聡】政府は企業が従業員を解雇しやすい「特区」をつくる検討に入った。労働時間を規制せず、残業代をゼロにすることも認める。秋の臨時国会に出す国家戦略特区関連法案に盛り込む。働かせ方の自由度を広げてベンチャーの起業や海外企業の進出を促す狙いだが、実現すれば働き手を守る仕組みは大きく後退する。
特区は安倍政権がすすめる成長戦略の柱の一つ。20日の産業競争力会議の課題別会合で、安倍晋三首相は「国家戦略特区は規制改革の突破口だ。実現する方向で検討してほしい」と発言。田村憲久・厚生労働相に検討を指示した。
特区で導入する解雇ルールや労働時間規制の緩和は、特区内にある開業5年以内の事業所や、外国人労働者が3割以上いる事業所が対象だ。
この、政府いうところの「チャレンジ特区」では、
というから、おそろしい話です。そして、この特区に登記上の本社を移転させる企業が殺到することでしょう。タックスヘイブンならぬ、ブラックヘイブンってところでしょうか。この話に、橋下徹率いる大阪市・大阪府がもろ手を挙げて賛同しているってのも、何とまぁ、わかりやすい構図であります。
いちおう、今回のブラック企業特区も、以前のホワイトカラー・エグゼンプションも、建前上は「高収入の管理職にしか適用されない」ということになっていますが、実際に導入されたら、低所得の末端労働者にまでその影響が及ぶであろうことは目に見えています。さすがの安倍自民党も、コレが国民の支持を得られると思ってはいないでしょうから、たぶん先に秘密保全法を成立させて、労働法の改悪は国家機密に指定して秘密裡に進めるんじゃないですかね。ナチスに学べばそれぐらいのことは思いつくでしょ。
それにしても、「特区」を作ればそこには法律が及ばなくなる、ってのはどうなんですかね。多少の規制緩和ならともかく、国民を守るための法律が有名無実化する特区なんて、存在できるんでしょうか。法の下の平等を定めた、憲法に違反するおそれもありますよ。あ、だから憲法を改正したいのか。
どうせだったら、労働法が無効化されるブラック特区だけじゃなく、刑法や麻薬取締法も含めたあらゆる法律が無効化されて、いかなる犯罪行為でもやり放題になるヒャッハー特区でも作ってみればいいんじゃないですかね。
(ヒャッハー特区のイメージ映像)
- JAが存在しないので、種もみの争奪戦も自由に実力で
(ケン、今さらだけど、これはバットの言うことが正しいよ……)
- 危険物取扱法も無効になるので、汚物も消毒し放題