宇宙パワーの哀しみ

野々村竜太郎兵庫県議の号泣会見は、自分から呼んでおいて記者の質問にいっさい答えない、記者の名前を執拗に聞き出す(たぶん、記者の名前を特定すればマスコミ嫌いの2ちゃんねらーあたりが味方してくれるとでも踏んだのであろう。敵に回すと厄介だが味方につけると頼りない連中だというのに)など、泣き声の面白さ以外は非常に不快かつ不誠実な内容でありましたが、議会も同じ感想を持ったようで。


兵庫県議会、野々村県議を刑事告発 議長が辞職願受理:朝日新聞デジタル 兵庫県議会、野々村県議を刑事告発 議長が辞職願受理:朝日新聞デジタル

 野々村竜太郎・兵庫県議(47)=西宮市選出、無所属=の政務活動費をめぐる問題で、梶谷忠修・県議会議長は11日、野々村氏の辞職願を受理した。県議会の各会派は同日、野々村氏を虚偽公文書作成・同行使容疑で県警に刑事告発し、受理された。県警は今後、詐欺容疑での立件も視野に、野々村氏から事情聴取するとみられる。

議会は「全額返還して辞職しても説明責任を全く果たしておらず、調査にも限界がある」(松本副議長)と、代表者会議に出席した10人の連名で県警本部に告発した。


まぁ、「そう(説明責任を果たさない)なればそう(辞職&刑事告発)なるやろ」と言うほかない話であり、政治家の金銭問題という面ではもうこの問題もひと区切りがつきましたが、エンタメ方面ではまだ終わりにはならないようで。


号泣県議「自分には宇宙パワーがある」 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社 号泣県議「自分には宇宙パワーがある」 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社

 号泣会見で世界的な注目を集めている兵庫県の野々村竜太郎県議(47)が4年ほど前、「自分には宇宙パワーがある」と摩訶不思議な話をし、知人を自己啓発セミナーに勧めていたことが分かった。一方で、同氏を取り上げたテレビ番組が軒並み視聴率を上げているため、水面下では1日に行われた号泣会見の3時間フルバージョン映像を劇場公開する計画まで持ち上がっている。まだまだ号泣県議の騒動は収まりそうもない。

 4年ほど前、野々村氏と「知人を通じて知り合って何度か食事をしたことがあった」という自営業男性が、これまた奇妙奇天烈なエピソードを明かした。この男性によると、食事の際に野々村氏は「宇宙の力を手に入れると仕事も健康も良くなる。自分はその宇宙のパワーをコントロールできる」と豪語していたという。

 当時を思い出しながら男性はこう語る。

「野々村さんは、そのころすでに政界に出るということは言ってましたが、一方で新しい事業をやっていると話していました。以前は金もなくて健康も不安定だったのに、あるセミナーを始めてからは『宇宙の力がみなぎって何事もうまくいくようになった』と、私にもそのセミナーを勧めてきたんですよ。名刺の裏にも宇宙の写真が刷り込まれてありました」

 確かに、議員になる前の名刺の裏には「人生が激変して幸福になった」という話とともに宇宙の写真が掲載されており、その下には「この写真を見て、貴方の願望を願って下さい。必ず、叶います」と、まるで占い師ばりの文言もあった。

「当時の野々村さんは『宇宙にはリズムのようなものがあって、それに合わせて人生を生きると何事もうまくいく。その宇宙のリズムのパターンをつかむためにはセミナーが必要だ』という話をしていました」(同)

 しかし男性がその後、県議当選後の野々村氏と再会したときには「彼は私のこともすっかり忘れていた様子で、声をかけても『市民の最後の希望になりますから応援してください』と言われただけだった」という。

 一方、報道陣を避け続ける野々村氏には、いまだに各方面から熱視線が注がれている。

「いや〜本当に驚きました。ここまで“持っている”とは…」と語るのはテレビ関係者。野々村氏の会見が世界中で話題になっていることは本紙既報通りだが、その衝撃度を表すかのように、テレビ番組も同氏を取り上げると、軒並み視聴率が上がっているという。

 最たる例はお昼の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)だ。番組関係者が証言する。

「普段の視聴率は、関東地区で10%前後ですが、野々村氏を特集すると1〜2ポイントくらい数字が上がる。これはすごいこと。その分、特集後の落差もひどくて、先日なんか彼の特集が終わり、番組宣伝のコーナーになったら途端に3ポイント近く数字が下がった」

 他の各ニュース、情報番組も同じ傾向のため、制作幹部からは「野々村ネタ強化」の大号令が下っているという。

 週刊誌も同じだ。今年は“エセ作曲家”佐村河内守氏(50)やSTAP細胞の小保方晴子氏(30)、ASKA被告(56)の覚醒剤事件など、話題に事欠かないと思われたが「実は佐村河内氏やASKAの件は反響がイマイチでがっかりした。その分、今回の野々村ネタに総力を挙げている。狙いは野々村氏の“女性関係”で、過去の交際相手を血眼になって捜している」(雑誌記者)。

 さらには“野々村特需”に便乗する怪しい人物もいる。1日の釈明会見は約3時間行われたが、そのフル動画を入手し、勝手に劇場公開しようと画策しているという。

「号泣部分だけでなく、会見のすべてを見たいと思っている人は間違いなくいる。小劇場で1000円ほどの入場料を徴収して、みんなで大笑いしようというイベント計画が進行しています」(事情を知る人物)

 映像素材の著作権を持つテレビ局や野々村氏の権利を無視して上映できるのかは不明だが…。

 今後、刑事責任を問われかねない野々村氏は、宇宙セミナーについて「記憶がない」と周囲に話しているというが、宇宙パワーでも解決できそうにない。

東スポでは、前から「野々村県議の耳に手を当てるポーズはハルク・ホーガンを意識している」などと独自の切り口によってこの問題をエンターテインメント化していますが、この記事はいただけないなぁ。


宇宙パワーの話題なのに、なんで若松市政のコメントを取りに行かないのだ!

宇宙大戦争 [VHS]

宇宙大戦争 [VHS]

宇宙パワー」と聞くと、鳩山由紀夫元総理を思い浮かべる人もいるようですが、年期の入ったプヲタからすると、どうしたって、1994年ごろに高野拳磁と抗争を繰り広げた、宇宙パワー軍団を思い出すのが人情ってモンです。
当時は、メガネスーパーの出資で発足した新メジャー団体のSWSが選手間の不和などで崩壊し、天龍源一郎率いるWARとケンドー・ナガサキ率いるNOWに分裂、さらにNOWからジョージ高野高野拳磁兄弟が脱退してPWCを旗揚げ、というのがマット界の状況でした。後に出てくる団体ほど興行のグレードが低くなり、とくに高野拳磁の巨体を持てあました鈍重な動き、アバウトな性格を反映したいい加減な仕切りは、メジャー団体出身選手がエースだとは思えないほどの場末感を醸し出しておりました。
ここで、高野の抗争相手として登場したのが、若松市政こと将軍KYワカマツ率いる「宇宙パワー軍団」です。


若松市政は1942年北海道芦別市出身、かつて国際プロレスでスタッフ兼レスラーとして働いていた人物で、1981年に国際プロレスが崩壊した後には、カナダはカルガリーに渡って悪役マネージャー兼レスラーとして戦っておりました。
1984年に帰国すると、新日本プロレスで当時売出し中だった「ストロング・マシーン軍団」のマネージャーとなり、戦うマシンを操るというギミックで古館伊知郎から「悪の正太郎くん」などと呼ばれました。コミカルな悪役キャラクターながら、実際には非常に真面目な人物であることもファンには知れ渡っており、歌も出しています。


これが歌と呼べるかどうか、は別問題としてね。


前述のSWSが1990年に旗揚げしたときには、選手のブッキングなどに尽力し、自らもレスラー/マネージャーとして活躍。崩壊後には高野拳磁に協力し、かつてのマシーン軍団を彷彿とさせる覆面集団「宇宙パワー軍団」を率いて、独自のユルい空気にあふれた試合(宇宙パワーを使って触れずに相手をKOするなど)を提供しておりました。マシーン軍団と同様に、同じ覆面を被った正体不明のレスラーがどんどん増えていくギミックと、「リングの魂」などでも見せていた若松の純朴かつ不思議系な人柄がマッチし、一般のプロレスファンからは白い目で見られましたが、杉作J太郎ら、ごく少数の熱狂的ファンを生み出しました。
杉Jによれば、当時の会場では、試合を見て涙ぐむ女性もいたとのこと。どうしたのか、と聞いたら宇宙パワーXが、宇宙パワーXであることの哀しみ……それが伝わってきて……」などと語っていたというから、まぁみんなオカシかったんですよあの頃のインディーファンってのは。


その後、若松は故郷の北海道に帰り、1999年には地元の芦別市議会議員に当選。現在は4期目を務めている、地方議員としては野々村竜太郎氏よりずっと先輩であります。


野々村議員の宇宙パワーをうんぬんするんであれば、宇宙パワー界でも大先輩である若松さんに話を聞かないでどうするんだ!
東スポには、この点では猛省を促したい、とご理解いただきたいものであると!