黄金のバンタム

M-1グランプリに気を取られていたら、TBSの裏番組ではこんな事態が進行していたようで。


http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20101226-OYT1T00501.htm

興毅判定勝ち、日本選手初の3階級制覇

 世界ボクシング協会WBA)ダブルタイトル戦が26日、さいたまスーパーアリーナで行われ、バンタム級2位の亀田興毅(亀田)が同級5位のアレクサンデル・ムニョスベネズエラ)に判定で勝ち、日本選手初の3階級制覇を達成した。


 興毅はライトフライ級とフライ級元世界王者。

 フライ級王者の亀田大毅(亀田)は、同級14位のシルビオ・オルティアーヌ(ルーマニア)を2―1の判定で下し、2度目の防衛に成功した。

ムニョスも昔は無敵の強さだったんですけどねぇ。2002年にセレス小林ミニマム級王座を争ったときは、その凄まじいパンチ力に驚嘆したものでしたが、2003年と2004年に相次いで事件に巻き込まれて脚を負傷してからは無理をしないファイトスタイルに変わり、今年のはじめに引退したのですが、いつのまにか復帰していて、いつのまにかバンタム級のランカーになっていたんですね。パンチもフットワークも見る影もなくなっていて、無残な試合でした。


でも今日の試合、WBAバンタム級王座決定戦ですって?


WBAバンタム級では、パナマのアンセルモ・モレノが、ウラジミール・シドレンコやマヤール・モンシュプール、ネオマール・セルメニョといった強豪を連破して王座に君臨していたはずなんですけど、どおゆうこと?


疑問に思って調べてみたら、モレノはスーパー王者に格上げされていて、正規王座は空位になっていたようです。本来、WBAのスーパー王座というのは、他団体との統一チャンピオンに与えられるものだったはずなのですが、暫定王者だったセルメニョとの統一戦に勝ったことでスーパーチャンピオンと認定されてしまったんでしょうか。王者を乱立させるとして悪名高いこの制度が、今回は日本の亀田に有利にはたらいたようです。亀田およびTBSとは古くから深い信頼関係で結ばれているWBAですので、なんらかの配慮があったことも予想されますけどね。


これで日本初の三階級制覇、そして日本人としては長谷川穂積に次いで二人目の飛び級制覇(長谷川はバンタム級からスーパーバンタム級を飛ばしてフェザー級を制覇、亀田はフライ級からスーパーフライ級を飛ばしてバンタム級を制覇)という快挙を成し遂げた亀田選手であります。長谷川が階級を飛ばしたのは減量がキツ過ぎたからだそうですが、亀田が階級を飛ばしたのは、WBAスーパーフライ級王座が空位ではなく、正規王者のウーゴ・カサレス(23日に大阪で久高寛之を降し防衛に成功したばかり。バンタム級王座にも興味を示している)とスーパー王者のビック・ダルチニヤンが君臨しているので、そこを避けた、ということはまさか万に一つもないでしょう。強い相手と戦いたいのはボクサーの本能のはずです。きっと減量がキツ過ぎたんですよ彼も。


今後の亀田選手には、ここは一つ、上の階級が空位になるのを待って四階級制覇を狙うような消極的路線を取るのではなく、日本人初の世界統一王者を目指していただきたいですね。WBAスーパーバンタム級には、スーパー王者のセレスティーノ・カバジェロと正規王者の李冽理がひしめいていて、入り込む隙間は当分できなさそうですし。


JBC日本ボクシングコミッション)は、WBAWBCのみを認可していて、国際メジャータイトルであるWBOIBF王座を日本人選手が獲得することは認めておりませんでしたが、最近になって、一流の実績を持つ王者に限って統一戦を認める方針を打ち出しました。WBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃は、IBF王者スティーヴ・モリターとの統一戦に意欲を燃やしているそうですが、亀田選手にもそれに負けず、ぜひ、WBCWBOの統一王者であるフェルナンド・モンティエルに挑戦して、日本人初の三団体統一王者を目指してほしいです!


そりゃ、ガチでやったら1ラウンドもたないでしょうけど、そんな快挙となればTBSも全力でバックアップしてくれるはず。ポンサクレック戦のような結果にはならない、と信じています! 頑張れ亀田! 後ろ盾がお金さえ出してくれればチャンピオンベルトだって買えるんだと証明して、日本経済を元気にしてくれ!