ブラッドハーレーの中
買ってからなぜか二ヶ月近くも放置していた、沙村広明の『ブラッドハーレーの馬車』をようやく読みました。
- 作者: 沙村広明
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/12/18
- メディア: 単行本
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八話の連作短編からなるこの作品。
少女歌劇団を運営するブラッドハーレー公爵家では、劇団員養成の名目で各地の孤児院から養女をとり、無期懲役囚の性欲と暴力衝動のはけ口にするために刑務所へ連れて行き、そこでなぶり殺しにさせています。
いたいけな少女が数十人の囚人に輪姦され、乳首を喰いちぎられ、手の指をぜんぶ折られ、歯を抜かれ、眼球を抉られるその凄惨なサディズム描写は、アグネス・チャンが見たら激怒すること間違いなしって感じですが、直接の描写は八話中三話にしか出てこず、あとの五話では、そこまでにいたる少女たちの姿を美しく酷薄に描くにとどめているのが、かえって彼女たちを待つ惨劇のおそろしさを際立たせていて、準児童ポルノなどという矮小な枠組みにとどめることのできない魅力を放っています。
こういうのって、漫画でしか表現できない美(あえて”美”と言う)なんですよね。実写だとただただ凄惨になりすぎるし、小説だとまたニュアンスが変わってくるし。
しかし、何度か読むうちにふと頭をよぎったのが、「もし『刑務所の中』に送りこまれたら」。
- 作者: 花輪和一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/12
- メディア: 文庫
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「女の子ひとり願いまぁ〜す!」とか言うんですかね。
そして、あの五人の房に女の子が来ると、
「おっ! ビューだよビューだよ」
「ラッキ〜! 今年の子は可愛いからビューだよ」
とか言って大喜びするんだろうなぁ。
でも、彼らが女の子をなぶり殺しにするところはいまいち想像しづらかったりします。
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アルフォート喰って悦んでる人たちがそんなことを、ねぇ。
花輪和一の、他の漫画だったらそういうのもいっぱいあるんだけどなぁ。
- 作者: 花輪和一
- 出版社/メーカー: 青林工芸舎
- 発売日: 2007/10
- メディア: コミック
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