脱亜入欧
脱おたくというブームもひと段落した感のある今日この頃でございます。
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 1989/12
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この中には、「脱オタク」したひとの話がすでに載っています。
桝山寛さんによる「彼女にキーボードがついてたら・一人ひとりを『世界』の支配者にするパソコンという魔術」という一章がありますが、ここでは89年当時のパソコンおたくについて書かれています。
永野のりこのイラスト付きで。
それはさておき。
何人かのプログラマーの話を紹介しているのですが、そのうちの一人が「脱オタク」を果たした人でした。
高校時代からパソコンマニアで、大学へ行くために上京したもののすぐソフトハウスでバイトを始めてそのまま大学へ行かなくなり正社員になったという、当時27歳のプログラマー氏。
就職してからの数年間は、パソコンの前にいないのは寝るときだけという閉塞したおたく状態。
服装にもかまわず、近所で買った”三つで千円”みたいなシャツとジーンズとサンダル、髪も伸ばしっぱなしの”おたくスタイル”。
普通の人には信じてもらえないくらい、コンピュータのほかにはまったく何もない状況でした。
と語っておられます。
ビックリマンチョコが流行ったときには、「今、シールを捨ててチョコを食べるのが最高の贅沢だ」と言っていたという氏ですが、そんなおたく生活を続けているうちに危機意識が芽生えたそうです。
もしこの会社を出たらオレには何もない。仕事以外の楽しみもないし、だいいち、生活そのものができない。
そう思い始めたら、それまで目に入らなかったほかの世界を一気に広げたくなったんです。
そう思い始めた氏が、最初に考えたのは髪を切ることだったそうです。
原宿のサッシュに行ったんですけど、最初は入るのに勇気が入りましたね。
(原文ママ)
「原宿のサッシュ」というのがどんなところなのか、当時田舎の中学生だったわたしにはまったくわかりませんが、おそらくとってもオサレなスポットだったんでしょう。
それからは、
「友人から聞いたマイナーなレコードを西武アールヴィヴァンで買ってみたり」
「雑誌社にほとんど飛び込みで顔を出してみたり」
「DCブランドの服をマヌカンの薦めるままに買いまくった」
りしていたんだそうです。
「西武アールヴィヴァン」というのがどういうお店なのか、当時田舎の中学生だったわたしにはまったくわかりませんが、おそらくとってもオサレなお店だったんでしょう。
それにしても。
- まずは美容院で髪を切り
- プロの薦めに従って高価な服を買う
というのは、最近流行の「脱オタク」メソッドとまったく同じことをすでに17年前にやってた人がいたということですね。
で、その結果として。
Y'Sのジャケットを着こなし、ハウスやアシッドのCDを六本木WAVEでチェックするような人物
になったんだそうです。
「六本木WAVE」というのがどういうCDショップなのか、当時田舎の中学生だったわたしにはまったくわかりませんが、おそらくとってもオサレなお店だったんでしょう。
1989年当時、「脱オタク」の理想形は山本耀司とハウスミュージックだったようです。
ちなみに。
先日、服を買いに行ったわたし。
トレーナーやジャンパーなどカジュアルな服を何枚か買ったのですが、気付いたら上から下まで全部converseでした。
…オレは「ウェインズ・ワールド」のダナ・カーヴィか。
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別にこだわりはないんですけどね。サイズが豊富なんですよ、converseは。