狼のバラード

生頼範義さん死去 「ゴジラ」ポスターなどイラスト制作:朝日新聞デジタル 生頼範義さん死去 「ゴジラ」ポスターなどイラスト制作:朝日新聞デジタル

 生頼範義さん(おおらい・のりよし=イラストレーター)が27日、肺炎で死去、79歳。通夜は28日午後7時、葬儀は29日午後0時10分から宮崎市花ケ島町柳ノ丸508の1のプリエール宮崎花ケ島の杜(もり)で。喪主は妻康子さん。

 映画「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」の国際版ポスターで注目された。「ゴジラ」シリーズのポスターや吉川英治氏の小説「宮本武蔵」の表紙絵、ゲーム「信長の野望」のイラストなどを手がけた。

生頼範義といえば、記事中でも紹介されている『スター・ウォーズ』や『平成ゴジラシリーズ』のポスターが有名ですが、ぼくが印象深かったのはなんといっても、平井和正の『ウルフガイ』シリーズの表紙と挿絵でした。

とくに、祥伝社のノン・ノベルから出てたやつね。世代的にこれがいちばんなじみ深かったですね。おなじ平井和正の『幻魔大戦』シリーズはちょっと観念的すぎてついていけなかったけど、ウルフガイシリーズは、ヤング犬神明もアダルト犬神明も、好きだったなぁ。殺伐としつつダンディズムに溢れたハードボイルドな世界と、荒々しくも美麗な絵のタッチがよく合っておりました。その後、版元が変わってからは、平井和正お気に入りの泉谷あゆみが表紙や挿絵を担当するようになりましたが、ぼくの中では生頼絵しかあり得なかったですね。その平井和正も今年亡くなり、いままた生頼範義も不帰の客となったわけです。


はてなでは、よく「まったく最近のライトノベルはなっとらん」みたいな話題で、おじさん世代のオタクたちが盛り上がりますけど、そういった問題の99%以上は、生頼範義(もしくは安彦良和)が絵を描けば解決するのではないか、と常々思っておりましたが、それもかなわぬこととなりました。謹んでご冥福をお祈りします。