競馬の終わり
- 作者: 北上次郎
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2006/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
文章を書くときは、まず「自分の文章を、他人は集中して読んでくれない」ことを前提にしないといけません。
冒頭に、読ませるためのフックを持ってきて、くどくどした説明文を出来るだけ省かないと、最後まで読んではもらえないんですね。
これは文学賞の応募作もそうで、最初の1枚にポイントがないと、その後にどんな面白い展開があっても、そもそも読んでもらえません。新人賞の下読みは一人で何本も読むものなので、ぜんぶ最後まで読んでたら仕事にならないんですね。
だからといって、最初の部分に情報量をやたら詰め込むのもご法度です。
ヘタな作家は、人物を登場させるとすぐにフルネーム・年齢・職業を提示してしまいますが、読者はそんな情報でその人物を理解できるわけではありません。その人の行動や思考を描いていくことで、はじめて読者はその人物を理解していくのですが、設定を見せたことで、読者に何ごとかを理解させたような偽の安心感を持ってしまうんですね。
昨今はネット上でも匿名だ実名だといろいろかまびすしいですが、名前がわかったからといってその人の何ごとかを理解できるわけではありません。気をつけましょう。
北上先生のオススメ作品
- 作者: 豊島ミホ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/11
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
- 杉山俊彦『競馬の終わり』
- 作者: 杉山俊彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/10/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (13件) を見る