昭和プロレス正史

クリスマスイヴなので、人類愛について考える本を読んでいる。

プロレスこそが人類愛である、というテーゼが理解できない人はまさかいないだろうと思うが、本書はわれらがフミ・サイトー渾身の一冊である。
日本におけるプロレスの歴史を、「田鶴浜弘」「鈴木庄一」「櫻井康雄」という3人の語り部による著述を中心に、詳細に検証することで、くわしく理解しようとする試みであるが、この3者以外の語り部では、相撲経験者でありプロレス村外の住人である小島貞二は好意的に取り上げられているものの、暴露本の著者である門茂男については「史実として取り扱うにはいささかの議論の余地がある」として排除をばしているのが味わい深い。


なにしろ大著なので、おそらく全部読み終えるには年内いっぱいはかかるであろう。それぐらいは当然である。プロレスには人生のすべてがあるのだ。