異世界ハーレムに仁義を求めるのは間違っているだろうか

さて、はてなでもおおいに話題になった、この件についてですがね。


「小説家になろう」名称アウト 山形で19年続く講座、大阪の企業に商標 (山形新聞) - Yahoo!ニュース 「小説家になろう」名称アウト 山形で19年続く講座、大阪の企業に商標 (山形新聞) - Yahoo!ニュース

 第一線で活躍している作家や編集者を招き、山形市で開かれている「小説家(ライター)になろう講座」が19年間使用してきた名称の変更を迫られていることが10日、分かった。小説投稿サイトの名称として「小説家になろう」が3年前に商標登録され、商標権を持つ大阪の企業から使用差し止めを求められているためだ。

 同講座は1997年、直木賞作家の高橋義夫さん(山形市)を講師にスタートし、現在は文芸評論家の池上冬樹さん(同)が世話人を務め、毎月開催。講座はこれまで、柚月裕子さん、深町秋生さん、壇上志保さん、黒木あるじさん、吉村龍一さんといった多彩な作家を輩出している。

 講座事務局によると、小説投稿サイトを運営する「ヒナプロジェクト」(大阪府枚方市)が2013年に「小説家になろう」を商標登録。今月に入り使用差し止め通知が文書で届き、その後、事務局が名称の商標登録を初めて確認した。

 講座は16年度から新たな名称で再スタートし、新名称は商標登録する予定。池上さんは「名称は変えざるをえなくなったが講座は続く。16年度の講師も日本一豪華な顔ぶれになったので期待してほしい」と話している。

この名称カブりについては、以前からぼくも気になっていたんですが、まさか向こうからこういう動きが出てくるとは予想外でした。こっちがずっと先に始めていて、文壇での実績も大きいのに、仁義ってものをわきまえない人たちなんですかねえ。


ちなみに、この件で作家や書評家の方々はこんな反応をしています。

  • 大矢博子氏

  • 深水黎一郎氏



この件では「深町先生が『小説家になろう』にバイオレンス小説を載せてやればいいんじゃないか」というネタ発言も目にしたけど、筋からいえばむしろ向こうの作家が山形まで受講にくるべきなんじゃないのか! と思いますね。

(どんな人なのかよう知らんけど)


これね、ぼくは「小説家になろう講座」の運営に直接かかわっているわけではないけど、何年も毎月通ってて事務局のみなさんとも顔なじみなので、当事者ではないにせよ関係者ではあるわけですよ。だから、あんまりうかつなことは言えないなあと思ってたんですよね。ヒナプロジェクトと講座事務局との間で、すでに話がついているのであれば、こっちの関係者が何か文句めいたことを言ったら、それでまた話がこじれるかもしれないじゃないですか。だから、ツイッターでちょっとつぶやく程度にとどめておりました。


だけどね、講座事務局の話では、まだ名称を変更すると決まったわけではないとのことでしてね。


「小説家になろう」商標問題:長年使っている商標を他人が登録してしまった場合どうすればよいか?(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース 「小説家になろう」商標問題:長年使っている商標を他人が登録してしまった場合どうすればよいか?(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース
この記事では、商標ビジネスの専門家が「先使用権を主張することもできた」と指摘していますが、もう変更を決めたという前提で書いているので、現時点での実情とはちょっと合ってないようです。事務局としては、先使用権を主張することも視野に入れて検討しているそうです。


まぁ、名前が変わったとしても講座の内容や講師陣の顔ぶれが変わるわけではないので、どうしても変えないでほしい、とはぼくも思ってないんです。



だけど心配なのは、ヒナプロジェクトの言い分をすっかり認めてしまうと、2013年に商標登録した、ということをタテに「2013年から2015年まで、3年間にわたり商標権を侵害した損害賠償を支払え」と訴訟を起こされる危険があるってことです。


まともな人たちだったらそんなことするはずないけど、どうやら仁義とか倫理とかいったものに無頓着な人たちのようなので、この危惧が非現実的だとは思えないなあ。とにかく、まだ一件落着にはほど遠い現状なので、今後の展開に注意して見ておきたいと思います。