屈折する星くず

つい2週間ほど前に、モーターヘッドレミーが癌で亡くなったばかりですが。


デビッド・ボウイさん死去=英 (時事通信) - Yahoo!ニュース デビッド・ボウイさん死去=英 (時事通信) - Yahoo!ニュース

【ロンドン時事】ロック音楽や映画など幅広い分野で活躍し、ファッションなど文化全般で世界的な影響力を及ぼした英国の伝説的歌手デビッド・ボウイさんが10日、がんのため死去した。
 69歳だった。公式ツイッターが公表した。
 公式ツイッターは「18カ月間の勇気ある闘病の末、家族に見守られながら穏やかに亡くなった」とつづった。69歳の誕生日を迎えた8日に最新アルバム「★」(ブラックスター)を発表したばかりだった。
 1947年ロンドン生まれ。64年に歌手デビュー、66年にデビッド・ボウイに芸名を変えた。「スペイス・オディティ」(69年)、「ジギー・スターダスト」(72年)のほか、作曲家ブライアン・イーノさんと組んだ「英雄夢語り(ヒーローズ)」(77年)などのアルバムが注目され、83年の「レッツ・ダンス」が大ヒットした。近年は病気療養などで活動が低下していたが、2013年に10年ぶりの新作「ザ・ネクスト・デイ」を発表した。
 映画俳優としては、大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」(83年)で、英軍将校役でビートたけしさんや坂本龍一さんと共演。ミュージカルにも出演した。 

レミーとほぼ同年代で同じイギリス人のボウイでしたが、音楽性やファッションなどあらゆる面で対照的で、ファン層もほとんど重なっていないでしょう。でも、癌との闘病の末、新作を発表し誕生日を迎えた直後に亡くなるという最期は、ふたりとも同じでありました。

★(ブラックスター)

★(ブラックスター)

最近は、癌と闘病しながら亡くなる直前まで活躍していた俳優やミュージシャンの事例をよく目にしますが、おそらく、終末期医療とペインコントロールの発達により、亡くなる直前までクリエイティビティを失わないでいられるようになった、ということなのでしょう。あと「癌で亡くなる人が多い」というのは「癌以外で亡くなる人が少ない」ということであります。


オレはあまり文化的でないほうのロックを好んできたので、決してボウイのファンというわけではないけど、それでも少なからぬショックを受けました。レミーのときはなんだかんだ言っても、最近の様子を見ていたのでどこかに覚悟がありましたが、ボウイのことはそれほど熱心にチェックしていなかったので、余計にショックです。


で、こんなショックを受けた人もいるようで。
「ボウイが死んでショックで自殺しようと」… - 産経ニュース 「ボウイが死んでショックで自殺しようと」… - 産経ニュース

 歩道でカッターナイフを所持したとして北海道警札幌・中央署は11日、銃刀法違反の疑いで札幌市中央区北9条西、アルバイト従業員、塩田友希容疑者(25)を現行犯逮捕した。同署によると「デビッド・ボウイさんが亡くなったのがショックで自殺しようと思った」と供述している。

 逮捕容疑は11日午後4時50分ごろ、札幌市中央区の以前務めていた運送会社前の歩道でカッターナイフを所持した疑い。

 中央署によると塩田容疑者は泣き叫ぶなど錯乱状態で、カッターナイフを落としたところを運送会社の男性従業員が取り押さえた。けが人はなかった。運送会社まで行ったことについては「どうせ自殺するなら人前でやろうと思った」と話しているという。

昔は芸能人が亡くなると後追い自殺が話題になりました(岡田有希子とかHIDEとか)が、最近はほとんど聞かなくなりました。本当になくなったのか、連鎖を避けるため報道しなくなったのかはわかりませんが。今回の場合は、実際に自傷行為はしていないと思われるのと、ボウイの死が若者にそれほど大きな影響は与えないだろうという判断から、報道に至ったのでしょうか。25歳の若さで、ボウイの死にこれほどショックを受ける人はかなり珍しいでしょう。よほどのファンだったんでしょうけど、でも、カッターナイフというのはいただけないですね。ここは、ボウイの芸名の由来になった、ボウイナイフを所持していてほしかったですね。

(こんなの持ち歩いてたら一発で捕まります)


などとネタ扱いしてはいるものの、オレだってもしリッチー・ブラックモアが死んだら、きっと錯乱するだろうなあ。



あと、70年代の少女漫画に、デヴィッド・ボウイをモデルにしたキャラクターが多数登場するのは有名ですが、『北斗の拳』でも、天狼星のリュウガ(ユリアの兄)がボウイをモデルにしていたものでした。

どちらかといえばハイブロウな文化領域に属していたボウイですが、こういった低偏差値文化圏にも、おおいに影響を与えていた人物でありました。