長谷川穂積再起第2戦
長谷川穂積の再起第2戦が地元神戸で開催されたので、CSの日テレG+で観戦しました。
試合の結果はこちら。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151211-00000168-sph-fight
第1ラウンドから穂積は落ち着いていて、肩の力も抜けていたし、足の動きもよく、フェイントもバリバリに効いていて「これは圧勝かな」と思いました。
ところが、3ラウンド終盤に穂積が左を打ち込もうとした瞬間、ルイスの右(たぶんルイスも狙って出したパンチではなく、動きの流れの中で出たものであろう)が死角から入ってしまい、まさかのダウン。これで鼻骨に大きなダメージを追い、鼻血が止まらないままでの戦いを余儀なくされます。
5ラウンドにも、まったく同じ角度からの右ストレートでダウン。「もう終わりか」と思いましたが、落ち着いて立て直し、絶妙のフェイントとディフェンス、そして最終ラウンドには猛然とラッシュを仕掛ける闘志を見せてくれました。
判定はまぁ、ホームタウン・ディシジョンとしてもこれぐらいなら許容範囲でしょう。試合後の会見では「ダウン以外は完勝やったと思います」と繰り返す長谷川穂積でありましたが、ポイントを見るかぎりでは穂積の言うとおりです。
今回の試合では、穂積の「打たれ弱い」という欠点が、あのディフェンス技術をもってしてもいよいよかばい切れないところまで来てしまった、と感じました。当たったパンチは2発だけでしたが、2回ともワンパンチで倒れてしまう(ルイスは14勝5KOの戦績で、けっしてハードパンチャーというわけではない)というのは、年齢的な衰えというより歴戦のダメージが蓄積しているのでしょう。
ただ、救いなのは、どんなパンチをもらったのかまったくわかっていなかったらしい穂積が、試合後すぐに控室でビデオを確認していたことです。まだまだ向上心を持っている、という姿勢の証しです。それに、いままで穂積が負けた試合では、一発もらって倒れてから、無理な打ち合いを挑むという悪い癖が出ていましたが、今回はそれがなく、立ち上がってから落ち着いてアウトボクシングに戻っていたので、敗戦から学んだものも大きかったということでしょう。
今後また世界タイトルを狙うのはちょっと厳しいかもしれませんが、長谷川穂積がこの10年間、日本のプロボクシング界を引っ張ってきた功績の大きさを考えれば、彼にはどんなわがままもかなえられる権利があるはずです。われわれファンは、とにかく見守るしかないでしょう。
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