タカリのダーティテクニック
現代のクールジャパン文化において、高千穂遥の果たした役割の大きさをみんなどれだけ認識しているのだろう、という思いがあるんです。
- 作者: 高千穂 遙
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/11/15
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(ただし、『ダーティペア』のふたりは揃ってイケメン好きであり、男性を排除した世界が好まれるようになった現代の主流萌え文化とはやや趣きが異なる)
んで、『ダーティペア』という言葉は、一世を風靡した女子プロレスタッグ、ジャッキー佐藤とマキ上田の「ビューティ・ペア」をもじったものです。
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ダーティペアのモデルになったのは、高千穂遥が中心メンバーだったスタジオぬえの女性スタッフであり、親交のあった栗本薫の『ぼくらの時代』にも同じモデルを持った人物が登場しています。こちらでは「ビューティ・ペアというよりダーティ・ペアという感じ」と、その雰囲気を評しています。
- 作者: 栗本薫
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このように、クールジャパン界隈では(?)「ビューティ」という言葉を「ダーティ」に言い換える、という語法があることを前提にして、今日の本題に入ります。
黒の衝撃2014 - 男の魂に火をつけろ! このエントリでも紹介したように、もっか「ブラック企業大賞2014」が投票受付中(9月5日まで)ですが、ここにきてノミネート外から超新星が出現いたしました。
たかの友梨氏がパワハラ?「あなた会社つぶすの」 録音データ公開 - withnews
エステティックサロン「たかの友梨のビューティクリニック」仙台店で、スタッフが残業代の未払いなどを労働基準監督署に訴えたところ、たかの社長らがスタッフを取り囲んで2時間半にわたる恫喝を行ったというもの。その録音データが公開され、大きな話題になっています。
ここでたかの社長は「労働基準法に沿ったら会社が潰れる」「36協定なんて誰も知らない」などと発言しており、ブラック企業経営者の典型的言い分がここでも見られました。「この業界では成り立たない」なんて言いますけど、労働基準法には「美容業は除く」なんて規定はありません。
それに、たかの社長は著書の中で「技術を学ぶ人間には社会保険なんかいらない」という意味のことを書いていて、これと同じリクツを振りかざす経営者は枚挙に暇がありませんが、労働基準法69条には、
(徒弟の弊害排除)
第六十九条 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。
○2 使用者は、技能の習得を目的とする労働者を家事その他技能の習得に関係のない作業に従事させてはならない。
という条文があることを、知っている人はごく少ないのでしょう。経営者の奥の手である「外国人研修生」だって、実は同じなんです。
※参照:【茨城新聞】実習生受け入れ5年停止 残業代未払い、JAほこた27農家処分 東京入管
法律なんて守らなくていい、と思ってるんだったら、シャブでも売ればいいのにねえ。ラクだし儲かるし、お客だってぐんぐん痩せてうれしいじゃない。もちろん犯罪だけど、法律守ってたら会社がつぶれてみんな困るんだから、なんでもやればいいじゃない。
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そんなたかの社長ですが、テレビや講演などでセレブっぷりを遺憾なく披露しており、こんなエピソードも伝わっています。
たかの友梨社長「誰も知らないでしょ、36協定なんてね」 浮いたおカネで「ハワイに3軒目の別荘を10億円で購入」 | 企業インサイダー | キャリコネ
たかの社長は、従業員に高額な自腹を切っての自社製品購入を強制し、そうやって儲けた資金で、高価な貴金属や不動産をキャッシュで買いあさっているというから、なんとも恐れ入る話です。
これらのニュースを聞いた人からは「女ワタミ」なんて声も上がっているようですが、ここはひとつ、ワタミよろしく略称をつけてみてはどうですかね。
たかの友梨、略して「タカリ」ってのはどうでしょう。こっちのほうがお似合いじゃないですかね。
「ビューティクニリック」のほうも、冒頭で挙げたように「ビューティ」より「ダーティ」のほうがお似合いだし、よく考えたらクリニック(診療所)ですらない。
18世紀フランスの啓蒙思想家ヴォルテールは、神聖ローマ帝国のことを「神聖でもローマでも帝国でもない」と評したといいますが、たかの友梨ビューティクリニックも、たかの友梨でもビューティでもクリニックでもない、「タカリのダーティテクニック」と呼んだほうがしっくり来る気がするなぁ。
ワタミの議員擁立でもわかるように、ブラック企業とは親和性の高い現政権ではありますけど、昭和14年のパーマネント禁止令でもわかるように、現政権が美容業界を守ってくれることはないだろうなぁ。
- 作者: 早川タダノリ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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