この劇画が(本当に)スゴい!
今日もお休みの予定だったんですけど、ちょっと気になる記事を見かけちゃいましてね。
このマンガがたぶんスゴい! - デイリーポータルZ:@nifty
「このマンガがすごい!」
って
スゴいですよね。
その年に
話題だったマンガの中から、
マンガを読みまくっている全国のマンガ関係者により選ばれた
いま本当にスゴいマンガたち
ってことでね。
でもその一方、
いま現在はそんなふうにフィーチャーされてはいないけど、
たぶん実はスゴいマンガっていうのは
たくさんあるかと思いますので
今回は、
そんな
たぶんスゴいマンガ
TOP30を
紹介してしまいたいと思います!!
ヨシダプロというこのライター(漫画はジャンプが好きだそうな)は、こう銘打って、最近の漫画ファンにはなじみの薄いであろう古い劇画を紹介していくんですけど、このチョイスがまったく脈絡がないんだ。
まず、30位で紹介されるのがいきなり『野望の王国』。
- 作者: 雁屋哲,由起賢二
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2001/06
- メディア: コミック
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でも、コレはまだいいんですよ。ここから紹介されていく漫画の画像が、やっつけ仕事すぎてもう。漫画の表紙より、背景に注目して見てください。
コレ、古本屋の店内で商品をテキトーに撮ってるだけだろ。
『野望の王国』の写真は机の上で撮ってるっぽいけど、その他はただ、その店にあったやつを写しただけ。これってマナーとしてどうなんですかね。まぁ「謝罪しろ」だの「記事を削除しろ」だのと目くじらを立てるほどではないけど。
あと、『野望の王国』以外にも、有名作品を「こんなん知らんわ」とバカにしてる態度が、気に食わんというか、ちょっとイタいというか。
●第26位! 「カラテ地獄変」
続いてのこちら
なんかタイトルは聞いたことがありますが
どんな地獄っぷりかまでは
存じあげないわけですが、
それにしても
敵こわすぎ。
もはや
カラテの範疇を超えた敵
かと思われます。
これは
第一印象だけでも
言うまでもなく
たぶんスゴいマンガだと思います!
いや、「こわすぎ」の一言で済ませてるけど、これどう見てもアンドレ・ザ・ジャイアントがモデルでしょ。人物像が容易に想像できるじゃないの。
アンドレがいた!―“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアントの黄金時代 (BLOODY FIGHTING BOOKS)
- 作者: 門馬忠雄
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本
- クリック: 27回
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- 作者: 梶原一騎,中城健
- 出版社/メーカー: 松文館
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: コミック
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。 。 / / ポーン! ( Д )
と飛び出させて勝ち、プロ空手を壊滅させます。しかしそこで、この激闘によってすっかり客を奪われたプロレス界が、最強の刺客オーレ・ザ・ジャイアントを差し向け、大東空手の総帥たる大東徹源と対戦させます。これがこの漫画のラストバトルです。
中盤の話では、対戦相手を何人も殺してプロレス界を追放された怪物レスラー「2噸ガレント」を破っているのに、今度は表のプロレス界における一流レスラーがラスボスとして登場してくる、というのはやや展開的にバランスを欠いている気がしないでもないですが、まぁそれもアンドレの人徳と受け止めましょう。
んで、大山倍達をモデルにした徹源と、アンドレをモデルにしたオーレが闘うという異次元対決は、徹源がジャイアントの耳をそぎ落すという卑劣効果的な巨漢対策で勝利するのでありました。近年では、2010年の大みそかに桜庭和志の耳が取れかけたことがありましたが、まぁこの世界にはよくあることです。
それから、続いて紹介しているのが
●第25位! 「カラテ地獄変 ボデイガード牙」
で
こんどは先ほどの
カラテ大作の続編
なのかと思いますが、
ボデイガード牙
とのことで
カラテから
ボディガードへと転職された
のかと思われますが
それにしても
敵こわすぎ。
なんでしょうこれ
どんな世界なんでしょうかこれ
恐ろしい人
多すぎです。
多摩にはだいぶいないタイプ
だと言えるでしょう。
でもこちらもやはり
第一印象だけでも
言うまでもなく
たぶんスゴいマンガだと思います!
このキャラクターは「ザ・マップマン」というプロレスラーで、全身の傷跡が地図の国境線のように見えるというので「地図男」と呼ばれている人です。暗黙のルールを破ったレスラーに、リングで制裁を加えて再起不能にするのが本職です。ストレスがたまりそうな仕事です。「どんな世界なんでしょうかこれ」「恐ろしい人 多すぎです」とヨシダプロ氏は書いていますが、梶原一騎世界にはよくあることです。
『ボディガード牙』は「武器を持った敵を素手で倒す」のが決まりなんですが、マップマンは全身の骨と歯を鋼鉄で補強したサイボーグっぽい怪物なので、世界観のルールは守られるのでありました。
んで、「先ほどのカラテ大作の続編」とも書いてますけど、これはこの単行本を出したサンケイ出版のミスリードにひっかかった結果ですね。
- 作者: 梶原一騎,中城健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/02
- メディア: 新書
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最初に書かれたのが『ボディガード牙』で、次いで、ボディガード牙直人誕生秘話として、牙直人の出生から空手修行時代までを描く『カラテ地獄変』が発表され、最後に、牙直人の師匠である大東徹源の若き日を描いた『新カラテ地獄変』でシメとなるのであります。ゆでたまごもびっくりの、後付け設定でどんどん矛盾が生じていくダイナミズムが見どころです。
最初はこの順で位置づけられていたのですが、単行本の版が変わったときになぜか『カラテ地獄変』がシリーズ第1作とされ、『ボディガード牙』は『続カラテ地獄変』としてシリーズ第2作に位置付けられたのです。その後の版もこれに準じているので、混乱している人は少なくありませんが、詳しい人なら常識の範疇です。
『カラテ地獄変』初版の単行本1巻では、冒頭にボディガード牙直人の任務が描かれ、そこに彼の暗い過去を知る片腕の男がやってくるという導入部があるので、これを読んだ人ならすぐにわかるんですけどね。
(ちなみに、片腕の男はバイカー集団の一員として現れるんだけど、片腕でどうやってバイクを運転していたんだろう)
『カラテ地獄変』と『野望の王国』という、ワスの専門範囲にある漫画がぞんざいな扱いを受けているので、つい熱くなってしまいました。
他にも、荘司としおの『サイクル野郎』もコケにされているので、ファンならカチンとくるところでありましょう。「自転車少年が日本一周する漫画」程度の知識はあってもいいと思いますけどねぇ。
- 作者: 荘司としお
- 出版社/メーカー: 青林堂
- 発売日: 2005/01/15
- メディア: オンデマンド
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あと、司敬についても、ボクシング劇画『サムライ拳』を引き合いに出して
そんな漢を
描いている当先生、
他にはいったいどんな作品を
描いているのかと
気になっておりましたら、
!!
と
やはり
漢を
描き続けているようでございました。
さすが
スゴい先生ですね。
と、明らかに小馬鹿にしたような扱いをしていますが、今は倉科遼名義で原作者となり、ネオンものを多数ヒットさせていることを知らないんですかね。
- 作者: 倉科遼
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/11/14
- メディア: 単行本
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- 作者: 倉科遼,井上紀良
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/07/06
- メディア: Kindle版
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いくら自分が知らない作品だからといって、誰もが興味ないとは考えんほうがいいと思う、そんなワスなのでありました。ジャンプが好きなんだったらおとなしく『ニセコイ』でも読んでおれ。
- 作者: 古味直志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: コミック
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