力道・馬場 もし闘わば

ウェンツ瑛士主演の実写映画『タイガーマスク』は、今年11月公開予定。

ウェンツがマスクと特殊スーツをまとって変身するという、実質的に変身ヒーローものになっています。これは反発もあるでしょうが、今の時代に『タイガーマスク』をやるならこれぐらい思い切ったほうがいいんじゃないですかね。今日ビ、プロレスの話にしちゃったらどうしたって貧乏臭くなりますからね。

タイガーマスク(1) (講談社漫画文庫)

タイガーマスク(1) (講談社漫画文庫)

タイガーマスク』の基本設定は、

  • タイガーマスクは悪役レスラー養成機関「虎の穴」出身
  • 「虎の穴」は、世界中にレスラーを派遣し、そのファイトマネーの半額を上納させる
  • タイガーは、孤児院へ寄付するために上納金が滞り、裏切り者として命を狙われる
  • 「虎の穴」は次々に恐ろしい刺客を送り、タイガーをリング上で葬ろうとする

このへんは皆さんご存じかと思います。「リングで殺すより、プロモーターに通達を出してタイガーを干したほうがいいのでは」などのツッコミはご容赦いただきたいです。


で、「ファイトマネーの半額をピンハネする」というのを、子どものころは極悪だと思っていました。
しかし、1961年に初渡米したジャイアント馬場が、ニューヨークのビンス・マクマホンSr.のもとで人気を博して10万ドル(当時のレートで3600万円、現代の貨幣価値に換算すればざっと4億というところか)は稼いだのに、グレート東郷とフレッド・アトキンスにひどくピンハネされ馬場の取り分はわずか1万5千ドルとなり、その1万5千ドルすら力道山に強引に借り上げられたというエピソードを知ったことにより、「むしろ良心的」と思うようになったのでした。

馬場・猪木の真実 (角川文庫―門茂男のザ・プロレス (6011))

馬場・猪木の真実 (角川文庫―門茂男のザ・プロレス (6011))



以上を踏まえて、このYahoo知恵袋をご覧ください。


全盛期の力道山が全盛期の馬場と試合したら、どんな試合になっていたでしょうか?... - Yahoo!知恵袋 全盛期の力道山が全盛期の馬場と試合したら、どんな試合になっていたでしょうか?... - Yahoo!知恵袋

馬場

「先生、今からでも遅くはありません。耳を揃えて全額ボクに渡してください」

力道山

「何を言っちょる、あれは期限までに返すと覚書まで書いたろうが!」

馬場

「その期限がくる直前に先生はボクをアメリカへ飛ばしましたね。
あれは(ゴリラ)鈴木先輩の代役なんかじゃ無い。
先生は最初っから返す気なんて無いんじゃあ無いですか。
それに、あれはピンハネではない、泥棒ではないですか!」

力道山

「ならば言うがジャイアントの馬場さんよ、
オマエさんにはギャラアップしてやった上にランクもつけてやった
それに当座の小遣い銭として現金30万円を渡したはずだ。
なんだ、もう使っちまったのか、どうせ女に使ったのだろう、この助平が」

馬場

「冗談ではない、何がギャラアップですか!
現金渡したって言ってもギャラから天引きではないですか!
それにボクは女になんか使ったりしない、
あれは故郷の家族へ送金する為に必要だったんです!」

力道山

「ほほう…、それはオカシイな、
ならば聞くがジャイアントの馬場さんよ、
アメリカで稼いだカネで、
オマエさんは事業家に転身する気だったと聞いとるぞ」

馬場

「(絶句) ……誰がそんなことを!
確かにそんな夢もありましたが、
あんなにピンハネされたら事業なんて出来ませんよ!」

力道山

「それはワシでは無い。ワシは知らん。
東郷さんとアトキンスが細かく取りまくっただけの話……。
それにワシはアメリカでは
金勘定は自分で管理しろ、その日の内に清算しろ、と言った筈だ。


もし全額欲しいなら今ここでワシを倒してみろ。
ここでワシをグゥの根も出ないほど息の根を止めたら
東郷さんの分もアトキンスの分も含めて、みんなワシが、ここで全部くれてやる。
但し、オマエさんが負けたらワシは一銭もやらんぞ。


いいか(ハロルド)登喜よ、
馬場正平サン” を立てる為に
オマエさんと苦労して練りに練ったスピークは中止になった。
この意味わかるな?」

馬場

「良いでしょう、受けて立ちます。
もうボクは前座の頃のボクでは無い。
既に先生の防衛記録を遥かに越えた男です。全力で貴方を倒します!!」

力道山と猪木が戦う話は、漫画版『餓狼伝』などで何度か描かれていますが、馬場と力道山の確執に焦点を当てるのは珍しいです。
馬場は、力道山のことを「人間として何一つ良いところの無い人でした」と評していたものですが、リングや道場で戦うところはちょっと想像しづらいですからね。


それにしても、このベストアンサーを書いた人は、かなり門茂男の「ザ・プロレス」を読み込んでいるに違いない。独特の台詞回しも完全に再現しています。もちろんこんな対戦は実現していないので、すべて妄想で書いているにすぎないのは確かですが、でもこの完成度はすごい。
この人のほかの回答を見ても、この独特のスタンスで濃厚な妄想世界を展開しているので、きっと只者ではないでしょう。というかシロウトじゃない匂いがするなぁ。