ファイトマネー未払い求める格闘家「人間不信に陥る」

 「人間不信に陥るよ」。それまで不平不満も言わず、まじめに闘っていた格闘家がある時、急に態度を変える。格プロ業界におけるマネー・トラブルでよく耳にする話だ。決して労働環境が整備されているとはいえない業界にあって、こうしたトラブルはいま、現場で頻繁に起きている。今回、当事者となってしまった東京都内の事業者も、「話に聞いていたが、まさか自分がという思いだ」と打ち明ける。

 「不平不満も言わず、まじめに闘ういいやつだ」。プロデューサーが最初に受けた印象で、何事もなく半年が過ぎようとしていたが、それまで何も言わなかった格闘家が試合を休みたいと申し出てきた。代わりの選手を用意するだけの余裕はない同社にとって、1試合だけとはいえ休場されるのは痛手だ。プロデューサーは状況を説明した上で、苦肉の策として、かませ犬と対戦させることで了承を得ようと試みた。

 一時はそれでしのげたが、その格闘家の態度は徐々に悪化。何かといえば不平不満を口にする。見かねたプロデューサーが注意しても、態度は変わらない。

 対応に苦慮していた時、新たな問題が起きる。ファイトマネーの未払いを要求してきたのだ。払えないと諭すと、今度は弁護士を伴って発注元(テレビ局)へ駆け込んだ。

 同業大手の仕事をしていた同社は、発注元からその事実を聞かされ慌てた。後でわかったことだが、格闘家はデビューしてから、すべての試合を録画して保管していたのだという。確信犯だった。ファイトマネーの請求は数万ドルに上ったが、労働調停で妥協案を示し、半分で解決を図ったという。

 しかし、問題はそれだけで終わらなかった。発注元から放送枠削減というおとがめが来たのだ。仕事は長時間拘束される上に、人月単価もファイトマネーまでカバーできる額には程遠い。トラブルの原因は、長時間の拘束をさせた発注元にも少なからずあるのだとプロデューサーは考えていただけに、「迷惑をかけたのは事実だが、放送枠削減には納得はできない」のが実情だ。

 しかし、強く撤回を求めることもできず、従うしかないという。「平気で団体を裏切る選手や、臭いものにフタをする発注元の姿勢に、人間不信に陥った」。会社を畳むことも考えたが、残った格闘家のためにも続ける覚悟を決めた。プロデューサーは、「自分の会社は自分で守らないといけない。不測の事態に対応できるよう、しっかりと環境を整備しなければならない」と話し、コンビニ弁当を食する毎日!

元ネタ:残業代未払い求めるドライバー「人間不信に陥る」|物流ウィークリー・物流と運送、ロジスティクスの総合専門紙
(文中の記述は、元ネタを尊重しているため、モデルになった人物の行動と一致しない部分もあります)

プロレス 大暗室 (別冊宝島 1914 ノンフィクション)

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野獣の怒り

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「人間不信」というワードから、第一回IWGPにおけるアントニオ猪木坂口征二のエピソードにしようかとも思いましたが、こっちのほうがしっくりくるので採用いたしました。



ちなみに、『ミナミの帝王』でもこれと同じネタが扱われていましたんやでえええええっ!


社長のオヤジさんがガミガミうるさい運送会社を、

こないなこと言うて辞めた不良社員たちが、

悪徳弁護士の入れ知恵で、未払いの残業代を請求してきましたんや!
困った社長は萬田銀行のトイチ銭に手を出そうとするんやが、萬田はんは「そのゼニ、ビタ一文払う必要はおまへんでええええっ!(ちゃり〜〜〜ん)」←(「ちゃり〜〜〜ん」は、萬田はんがキメポーズを取るときの効果音でんねやあああああっ!)と太鼓判を捺しまんねや! そして、萬田はんはみごとに悪徳弁護士と不良社員を撃退するんやが、負けた弁護士が社員たちに言う捨て台詞がこれでんねやああああっ!

きっと、ブラック企業の社長はんからは弁護士がこう見えているに違いありまへんねやああああっ!