惨劇の世界映画事件史

別冊映画秘宝『惨劇の世界映画事件史』を買ってきたッス。

昨年の『衝撃の世界映画事件史』がロジャー・コーマンと映画業界ちょっと悪い話を詰め合わせていたのに対し、今回は『ピラニア』のプロデューサーとして有名な、チャコ・ヴァン・リューエンこと筑波久子のインタビューと、東京で公開されたばかりの『セデック・バレ』のレビューが中心になっています。


http://www.u-picc.com/seediqbale/


セデック・バレ』は台湾原住民の抗日蜂起事件を描いた作品ですが、なぜか台湾に異常な親愛の情を示すネトウヨの子たちは、この作品に対しては「反日映画をたーたきだせー」などといったおなじみの反応をあまり見せていないようです。これが韓国だったら阿鼻叫喚の大騒ぎになるでしょうけどね。

台湾秘話 霧社の反乱・民衆側の証言

台湾秘話 霧社の反乱・民衆側の証言


あとは、底抜けテレビ映画と超低予算デフレ映画ばかりになった、日本映画界の現状に対する異議申し立てが多く載っています。
とくにすごいのが、渡辺文樹監督について語る、河合由美子監督のインタビュー。ロケに行った福島で、ホテル代が払えなくて軟禁されたというWJ末期を思わせるエピソードあたりは、旅館代を踏み倒して逮捕されたこともあるフミキ監督の行状と相まってまことに味わい深い。

プロレス「地獄変」 (別冊宝島 1630 ノンフィクション)

プロレス「地獄変」 (別冊宝島 1630 ノンフィクション)

WJプロレス末期には、後楽園ホールの会場使用料が払えず、ゴマシオ永島が後楽園ホールの事務所に軟禁されたという伝説のズンドコエピソードがある)