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ローソンが、安倍内閣の経済政策に従って、社員の給料を値上げすると発表しました。


http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY201302070318.html

ローソン、若手社員の年収3%増 アベノミクスに賛同

 ローソンは7日、若手社員約3300人の賞与を上乗せし、年収ベースで約3%増やすと発表した。安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」には、デフレ解消策のひとつとして賃金上昇も含まれる。ローソンの新浪剛史社長は安倍内閣がつくった産業競争力会議の民間議員でもあり、率先してアベノミクスに賛同した。

 今年2回の賞与に平均で計15万円を上乗せする。主な対象はローソンと、子会社九九プラス、ローソンHMVエンタテイメントの20代後半〜40代の社員。3社の社員の65%にあたる。中学生までの子どもがいれば、人数に応じて上乗せ率を高くする。ローソンは「消費意欲が高い若い世代の年収が増えれば、デフレ脱却に効果がある」(広報)としている。

 2013年度税制改正大綱では、企業が社員の給与や賞与などの年収を前年より5%以上増やした場合、増えた人件費の10%を法人税から差し引く新たな減税を盛り込んでいる。13年度から3年間の特例。大型補正予算や金融緩和で企業業績が上向いても、社員の懐が温まらないと消費が上向きにくいことに配慮する政策だ。

 ローソンが今回増やすのは一部社員の年収の3%分で、これだけでは減税されない。ただ、ほかにも好業績を反映した賃金や賞与の増額を検討中だ。

政界でも好意的に受け止められています。


http://www.asahi.com/politics/update/0208/TKY201302080056.html

ローソン賃上げ「いい傾向」 閣僚から歓迎の声

 ローソンが、大手企業の先陣をきって若手社員の賃金を増やす方針を打ち出したことについて、8日、閣僚から歓迎する声が相次いだ。

 麻生太郎副総理兼財務相は8日の閣議後会見で、ローソンの賃上げについて「1社でもこういった形が出てくるのはいい傾向」と評価。企業が利益を蓄える「内部留保」についてふれ、「たいして金利もつかない内部留保が、賃金、配当、設備投資に回らずにじーっとしている、という意味がよく分からない」と、企業が賃上げなどにお金を使うよう促した。

 甘利明・経済再生相は同日の会見で、所管する産業競争力会議の民間議員であるローソンの新浪剛史社長から「安倍内閣の要請を受けて、我が社から実施する」と連絡があったことを明らかにした。

 甘利氏は「大変ありがたいことだ。業績のあがった企業から、可能な範囲で還元措置を考えていただくことは、日本経済の先行きを明るくするとてもいい材料だ」と手放しで喜んだ。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」実現には、消費を盛り上げるため働き手の賃金の上昇が欠かせない。閣僚として賃上げムードを盛り上げたい思惑がにじむ。

でも、これで「日本経済の先行きが明るくなる」なんて考えるのはよっぽどおめでたい人だけだと思いますけどね。


だって、正社員の賃上げに充てる財源は、フランチャイズのオーナーを締め上げて捻出するに決まってるじゃないですか。
世の中そんなに甘くないッスよ。


賃上げの対象となるのは「3300人の社員」。平均で15万円アップするとのことですから、ざっと5億円です。
いま国内のローソンがおよそ1万店ありますから、1店につきノルマは5万円。おそらく、実際にはそれ以上の上納金を課せられることが予想されます。
もちろんその分、正社員よりはるかに人数が多い、アルバイト労働者の賃金がカットされるわけですよ。まぁ社長さんや大臣さんからすれば、アルバイト労働者なんて人間のうちに入らないんでしょうけど。
生活保護とともに最低賃金も引き下げたい自民党政権にとっては、ローソンはこの上なく意を汲んでくれた会社ですよね。


正社員と非正規労働者の格差が固定された、いまの日本を象徴するようなニュースだとオレは思うッスね。


※注意:このエントリは「どうせそんなもんじゃないの?」という、ニュースへの感想にすぎません。