特権階級にだけ「再チャレンジ」が許される

今日は宮城県南部の亘理町にある和風レストラン「田園」で、名物のはらこ飯をいただいてきたッス。


和風レストラン 田園 亘理店(地図/写真/名取・沿岸南部/ファミリーレストラン) - ぐるなび

仙台の秋には欠かせないはらこ飯。鮭の身をさっと煮ただし汁でご飯を炊き、軽く火の通った鮭の身と生のイクラをたっぷりと乗せた、素朴かつ豪華な郷土料理です。
今日は天ぷらとお吸い物、茶わん蒸し、小鉢のついた「はらこ飯御膳」を注文しました。

新鮮なイクラが黄金の輝きを放っています。食べてみると、見た目以上のボリュームがあります。

天ぷらはえびとかに爪、舞茸、茄子、しし唐がカラッと揚がって美味。



「田園」では季節によってメニューが変わり、春はホッキ飯、初夏はシャコ飯、夏はアナゴ天丼、秋ははらこ飯、冬はカキ飯を出しています。その他のメニューも豊富。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。



さて。


今日の「はらこ飯御膳」は、はらこ飯に天ぷら、お吸い物、茶わん蒸し、小鉢(魚の肝の蒸し物)がついて2200円でした。
生粋のワーキングプアであるぼくでも、ちょっと気を張ればこのぐらいのメニューは頼めます。たまにはご馳走を喰わないと人間が貧しくなりますよってに。


いま話題になっているご馳走といえば、安倍晋三自民党新総裁が食べた「3500円のカツカレー」ですね。
http://www.j-cast.com/2012/09/27147982.html

「カツカレー」突然ブーム 安倍新総裁「3500円」が火をつけた

自民党総裁選で勝利を収めた安倍晋三元首相。投票直前にカツカレーを食べていたが、直後からなぜかインターネット上でカツカレーの話題が急増した。
テレビ番組で、このカレーの価格が3500円と報じられたことが火をつけたようだ。ツイッター上では「3500円」という値段をめぐる議論や、とんかつ店ツイッターに人気が集まるなど、ちょっとしたブームを思わせる。

「安倍さんは庶民感覚がないと叩きはじめた」と怒る

自民総裁選が行われた2012年9月26日午後、テレビ各局は各候補者の投票直前の様子を伝えた。注目したのは、その日の昼食だ。有力候補とされた安倍氏石破茂政調会長が、都内のホテルで選んだ食事はカツカレーだった。選挙に「勝つ」ための験担ぎの意味が込められている。
安倍氏は支持者を前にした出陣式で、「私も今日はカツカレーだと思って、この1か月はカツカレーを食べずにとっておきました」とお腹をさすりながら、リラックスした表情で語りかけた。2007年9月、体調不良を理由に首相を辞任した過去がつきまとうだけに、健康をアピールするためか豪快にカレーをほおばってみせた。
このカツカレーの値段について、毎日放送の情報番組「ちちんぷいぷい」の中で、現場リポーターがこう伝えた。
「通常のカレーだけで3500円、カツを乗せると特別オーダーでもっと高くなるそうです」
リポーターが「種明かし」をする前に、スタジオのコメンテーターに値段を当てるよう促していた。誰も当てられずに「皆さん庶民ですね」と返したためか、ツイッター上では「安倍さんは庶民感覚がない、と叩きはじめた」などと怒る書き込みが増えた。その後リポーター本人が「ひと言も批判していません」と釈明している。
とはいえ「3500円カレー」のインパクトが強かったのか、カツカレーはツイッター上を賑わし続ける。値段に関する驚きだけでなく、「今日はカツカレー食べたい」といった何気ないつぶやきやカレーの写真が投稿されていった。とんかつ専門店のアカウントは一気に注目度が高まり、「NAVERまとめ」には「安倍さんの3500円カツカレーと、庶民も楽しめるカツカレーの名店マップ」が登場。26日夕方から夜にかけて、ヤフーやツイッターのトレンドワードでトップに躍り出ている。

カレー専門店は株価上昇

唐突なカツカレーブームは、9月27日になっても止まらない。グーグルの「急上昇ワード」では首位をキープ。この日は「昼食談義」でカツカレーが登場していた。ツイッターを見てみると、「学食でカツカレー売り切れ」「店員に聞いたら、普段の5倍カツカレーが出てるって」と、ネット上だけの騒ぎにとどまらず、実際に「特需」が起きていたようだ。
カレー専門店「CoCo壱番屋」に関連するツイートも多い。「CoCo壱でカツカレー食うかぁ」「客全員がカツカレーを注文してる」といった内容だ。運営会社の壱番屋東証一部に上場している。「安倍効果」のおかげかは不明だが、27日の株価終値は前日比6円高と好調だった。

この件で、日刊スポーツは「安倍新総裁、高級カツカレーにネット非難」と報じていますが、なにしろ2ちゃんねらーには絶大な人気を誇るアベシンだけに、ネット上ではこの記事と逆で「ぼくらの安倍壺三先生を叩くなようウエーン」という反応が大勢を占めているようです。


そもそも、アベシンは生まれの高貴さが売りであって、麻生太郎もそうでしたが「庶民感覚がない」なんてのは当たり前の話です。
そんなところを批判したって何の意味もありません。


今回アベシンがカツカレーを食べたのは、総裁選に向けたゲン担ぎの意味と、かつて胃腸病で首相の座を降りたことからくる健康不安説の払拭という二つの意味があると思われます。アベシン陣営によれば、特効薬ができたからもう大丈夫、ということですが、問題はそこじゃねえだろと言いたい。


まとめよう、あつまろう - Togetter
こちらのまとめによれば、フジテレビの「とくダネ!」がアベシンが「病気で退陣」したことを嘲笑するような報道をして、同じ病気の人たちが悲しんでいるとのことですが、みんな5年前のこと覚えてないんだなぁ


安倍晋三は、首相在任中の2007年7月に参院選で歴史的大敗を喫し、自民党公明党議席を合わせても民主党議席に及ばず、ねじれ国会での政権運営を余儀なくされました。
この結果を受けて、自民党内でも安倍おろしの動きが高まり、アベシンは政治生命を事実上失ったもののあくまで続投にこだわり、内閣改造を行いましたが、臨時国会で所信を表明した2日後に辞任するという前代未聞の投げ出しを敢行し、自民党内からも強い批判の声が挙げられました。


アベシンの辞任は、決して単なる体調不良によるものではなく、参院選の大敗という大失点こそが退陣の主たる理由だったはずです。胃腸の病気は要因の一つであって、決してそれだけが問題ではありませんでした。むしろ、政治上の失態をごまかすために都合よく病気を持ち出してきたようで、胡散臭さを感じていた人も少なくなかったはずです。アベシンのOPPを揶揄したくなるのは、あの辞任に至る経緯の胡散臭さが原因です。

アメトーーク! DVD 11

アメトーーク! DVD 11

サバンナ高橋有吉弘行中川家礼二ら「OPP芸人」のトークはこちらのDVDに収録。少なくともアベシンのOPP話より100倍は面白い)


「とくダネ!の出演者がそこまで考えていたたどうかわかりませんが、「病気で退陣した」こと自体はまだしも「参院選大敗の責任を逃れ、都合よく病気のせいにした」ことは、これ以上ないほどみっともない退陣劇です。


そして恐ろしいことに、5年の歳月で「参院選歴史的大敗」という政治上の大失点はすっかり忘れ去られ、本人が後出しで主張し始めた健康問題のみがクローズアップされ、体調が回復したことで「もはや安倍晋三に不安材料はない」と見做す層が現れてしまいました。


カツカレーをむしゃむしゃ喰っただけで、支持者の皆さんから「安倍さんはもう大丈夫(^_^)v」と言われるんだから、3500円どころか3万5千円出したってちっとも惜しくないでしょう。
ぼくが「うまい物が喰いたい」という理由だけで出した2200円とは、その価値からしてまるっきり次元が違うということです。


もしかするとアベシンは、いずれ総裁の座を奪還することを目論んで(自民党が与党から下野するとまでは予想してなかったかもしれないが)失政から国民の目をそらさせるために、あえて健康上の理由を前面に出したのではないでしょうか。国民の忘れやすさも計算に入れていたのだとしたら、世間で思われているほど暗愚なお坊ちゃまではないのかもしれませんね。