この一件……私が仕切らせて頂きます!

ダ・ヴィンチ 2012年 08月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2012年 08月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチがこんな記事を配信しています。


http://ddnavi.com/news/74085/

オヤジ版ジャンプ!? 『漫画ゴラク』に超メジャー作家が集結

週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)といえば、昔ながらのラーメン屋や喫茶店、銭湯の脱衣所の片隅などに、だらしなく積まれ、世のお父さんやおじいちゃんに読まれている「オヤジ雑誌」として認識している人も多いのではないだろうか。


 しかし、そんな「オヤジ雑誌」に今、変化が起きている。


 『キャプテン翼』(集英社)の高橋陽一、『魁!! 男塾』(集英社)の宮下あきら、『陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!』(日本文芸社)のにわのまこと、『銀牙−流れ星 銀−』(集英社)の高橋よしひろ……。そう、かつてあの『週刊少年ジャンプ』で脚光を浴びた作家たちが多数、連載陣として名を連ねているのだ。


週刊少年ジャンプ』だけではない。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で『グラップラー刃牙』(秋田書店)を連載していた板垣恵介。『週刊ヤングジャンプ』で『CUFFS〜傷だらけの地図〜』(集英社)などの重厚なアクションマンガを描き人気を博した東條 仁や、『週刊ヤングサンデー』(小学館)の『桜通信』(小学館)などで世の男性の股間を幾度も刺激してきた遊人。さらには、『沈黙の艦隊』(講談社)『ジパング』(講談社)のかわぐちかいじまでが連載作家の仲間入りを果たしている。


 大ベテランも黙ってはいない。『マジンガーZ』(講談社)の作者で知られるあの永井豪は自伝マンガ『激マン!』を連載中だ。


 とにかく看板こそ『漫画ゴラク』のままだが、ラインナップは超メジャーマンガ誌そのもの。その様はまるで、オヤジの枯れた世界に突如、いくつものきら星が現れ、まぶしい光を放ち始めたかのようだ。


 しかも、彼らはそこで「過去の栄光」を焼き直ししているわけではない。過去の連載作品を引き継いだものはさらにその深みを増し、新たに描き上げられたものは大人のテイストにあふれた作品となっている。例えば、高橋陽一は『誇り〜プライド』という作品でスーパースターでなくJ2に落ちた選手を描き、永井豪は『激マン!』で自身の代表作『デビルマン』の舞台裏や裏話を暴露し続けている。これだけの大御所たちに、『漫画ゴラク』にあわせた作品を描かせるあたりは、「オヤジ雑誌」の第1人者としての地位を築いてきた力の成せる技といっていいだろう。


 いや、もう『漫画ゴラク』のことを「オヤジ雑誌」と呼んではいけないのかもしれない。年輪を重ねた男の深みと、少年誌で培われたダイナミックなエンタテインメント感覚のコラボレーション。『漫画ゴラク』は今、マンガ雑誌の世界にまったく新しいジャンルを切り拓きつつあるのだ。

ついに見つかったか、という感じです。ここ数年の「漫画ゴラク」はどの雑誌よりもパワフルかつアナーキーな魅力に富んでおり、世の漫画読みたちがどうしてこの雑誌を無視するのか、ずっと疑問に思っていたところでした。「IKKI」とか「コミックビーム」あたりのハイブロウな漫画誌を読んでいる人も、「ゴラク」も読むべきだと思いますね。

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)

世間が気づきはじめたのが、昨年の大ヒット『どげせん』あたりだったでしょうか。



2000年代に入ったあたりから、70〜80年代のヒット作をリメイクしたり、続編を載せたりする漫画誌が増えました。いまは休刊になった「スーパージャンプ」(集英社)はその代表で、『リングにかけろ2』(車田正美)『マーダーライセンス牙ブラックエンジェルズ』(平松伸二)『曉!!男塾』(宮下あきら)と2世漫画をいくつも載せ、「中年ジャンプ」と呼ばれていたものです。

リングにかけろ2 1 (ジャンプコミックス デラックス)

リングにかけろ2 1 (ジャンプコミックス デラックス)


また、同じ時期に、元「週刊少年ジャンプ」編集長の堀江信彦と、原哲夫北条司次原隆二ら「ジャンプ」出身漫画家、原や北条の代表作のアニメ版で主演した神谷明らがコアミックスを設立し、「コミックバンチ」を創刊。『北斗の拳』や『CITY HUNTER』の続編を連載し、こちらも一部で「中年ジャンプ」と呼ばれました。

蒼天の拳 22 (BUNCH COMICS)

蒼天の拳 22 (BUNCH COMICS)

エンジェル・ハート 33 (BUNCH COMICS)

エンジェル・ハート 33 (BUNCH COMICS)

レストアガレージ251 32 (BUNCH COMICS)

レストアガレージ251 32 (BUNCH COMICS)


この流れは「ゴラク」にも及んでおり、ダ・ヴィンチの記事中にある他にも、平松伸二が「週刊漫画ゴラク」に『新ドーベルマン刑事』を不定期連載、「別冊漫画ゴラク」に『ザ・松田 ブラックエンジェルズ』を連載し、そのザックリ感が雑誌のカラーによくなじんで、「いん細」精神をいかんなく発揮しています。

あと、元エントリでは無視されてますが『神様はサウスポー』の今泉伸二も、「漫画ゴラク」で続編を描いています。

神様はサウスポーDIAMOND 03 (ニチブンコミックス)

神様はサウスポーDIAMOND 03 (ニチブンコミックス)


でも元ジャンプ組以外にも面白い作品があり、村生ミオの『SとM』は艶笑バカ漫画として前人未到の境地に達しているし、むとうひろしの『今日からヒットマン』もヒリヒリするようなガンファイトの緊張感で引き込まれます。長寿連載『ミナミの帝王』に至っては、本編の内容はともかく背景の表現だけでファンを圧倒し続けています。

SとM 25 (ニチブンコミックス)

SとM 25 (ニチブンコミックス)

今日からヒットマン 23 (ニチブンコミックス)

今日からヒットマン 23 (ニチブンコミックス)

ミナミの帝王 115 (ニチブンコミックス)

ミナミの帝王 115 (ニチブンコミックス)

ちなみに『ミナミの帝王』は史上最速のスピードで100巻に到達しましたんやでえええっ!


そして何といっても大注目は、前代未聞のハイパーリアル極道劇画『白竜LEGEND』です。

これまでにも、力士の野球賭博をネタにしたとたんに現実の大相撲で野球賭博が問題になったり、東日本大震災の一週間前に原発のずさんな実態を描く「原子力マフィア篇」を載せてエピソードが中止になったり、そのリアル過ぎるストーリー(あと剛野組長のチャーミング感)で心ある漫画読みを震撼させてきました。


昨年の11月に、オリンパスの巨額損失隠しが話題になったときには、
http://alfalfalfa.com/archives/4859790.html

28 名無しさん@涙目です。(SB-iPhone) :2011/11/18(金) 12:21:08.96 ID:4sKO00yV0
オリンパス幹部「白竜・・・俺達はなんて恐ろしい男を敵に回していたんだ・・・」

こんな書き込みがあったものです。


そして、『白竜LEGEND』は先週までで「経済誌女性記者篇」を終了し(安心と安定の剛野組長オチで)、満を持して「光学器メーカー篇」に突入。作者は絶対あのエントリ見てただろ。
世界的デジカメメーカーで、とくに内視鏡では世界シェアの70%を占めるという「オリオン光学」が、イギリス人を新社長に抜擢するというところから始まります。そして、この人事にカネの匂いを嗅ぎ付けた白竜が、情報屋から「オリオンは資産価値のない会社法人を巨額のカネで買収している!」というネタを仕入れたところで来週に続く。経済ヤクザ漫画の最先端をゆく(そんなジャンル他にないんだけど)『白竜LEGEND』ならではの社会派(?)展開ですね。これ、オリンパスから訴えられたらどうなるのかなぁ。

あの巨大な事件に、白竜がどうケジメをつけるのか。要注目!