一本刀土俵入

小林まこと長谷川伸シリーズ第三弾、『一本刀土俵入』を読みました。

このシリーズでは、小林まことの過去の作品に登場したキャラクターたちが役を演じるというスターシステムを取っており、第一弾『関の弥太っぺ』は『柔道部物語』の三五十五、第二弾『沓掛時次郎』では『へば! ハローちゃん』の雨竜光二が主人公でしたが、今回は『1,2の三四郎』の成海頁二が、主役の駒形茂兵衛を演じています。成海頁二は、『1,2の三四郎』後半から登場して仲間に加わったキャラクターで、身長2mの大男で空手の達人。極度の口下手で、続編『1,2の三四郎2』『格闘探偵団』ではセリフが「ウガ」のみでしたが、本作ではふつうにしゃべっています。彼らとももう長い付き合いですが、こんなに流暢にしゃべる頁二は初めてみました。


そういえば、頁二もそうですが、小林まことの漫画には必ず面長の人物が出てきます。『格闘探偵団』の蛇野警部とか、『柔道部物語』の長谷川先生とか。これは小林のデビュー当時の担当編集者である栗原良幸氏(「月刊少年マガジン」などの編集長を歴任し、「モーニング」を創刊した)がモデルになっています。

青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス 週刊少年マガジン)

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ところで、漫画の世界において、小林まこと的世界とは対極に位置するのが、岡崎京子的世界ではないかと思います。

ヘルタースケルター (Feelコミックス)

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そんな岡崎の代表作『ヘルタースケルター』が沢尻エリカ主演で映画化され話題になり、監督の蜷川実花もよくテレビなどで見かけるようになりました。


蜷川実花ってどこかで見たような顔だとずっと前から思っていたのですが、小林まことの漫画に出てくる面長の人に似てるんですよね。

ウガ。



ウガ。



次作は満を持して『瞼の母』とのこと。主人公である番場の忠太郎はこれまでの作品でもカメオ出演していましたが、いよいよ本編主人公としての登場です。
演じるのは『1,2の三四郎』『格闘探偵団』など、小林まこと最大のヒーローである東三四郎三四郎自身も、母親を知らずに育った過去があるだけに、味わい深い作品になりそうですね。期待。

<東映オールスターキャンペーン>瞼の母 [DVD]

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