下山事件 最後の証言

昨日は、柴田哲孝先生を講師にお迎えした「せんだい文学塾」を受講してまいりました。

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

今回のテーマは「新人賞必勝戦略」。現在、作家の9割以上が何らかの新人賞を受賞してデビューするといわれています。そのため、文壇への近道として新人賞を狙う心構えを教えていただきました。


いまはほとんどの作家が新人賞を経由してデビューしている、ということは、新人賞そのものの数も昔よりぐっと多く、傾向も幅広いということです。そのため、各賞の傾向と対策を考えて作品を書くより、まずは自分の作品を書いて、それからそれに見合った賞に応募する方が近道となっています。


書くために必要な力は、一に「観察力」、二に「分析力」。ネタを見つける力と、どこをどうすれば面白くなるのか、何が自分に合っているのか、どこに送ればいいのか、それを判断する力。そして、面白さを文章に写しこむための「表現力」が第三に必要な要素となります。


では、「自分の作品」をものにするためにはどうすればいいか。ここがいちばん大事なことですが、簡単に教えられることであれば誰も苦労はしません。ここはやはり、苦しんで書いて書いて書きまくることしかないんですね。新人賞の最終候補ぐらいまでは第三までの要素「観察力」「分析力」「表現力」で行けても、受賞するためにはそこからさらにプラスアルファ、第四の力が必要なわけです。それは「自分にしか書けない作品」という強さで、これを見つけるのがいちばん大切です。


下積みには、枚数を書くよりは本数を書くことが大事で、500枚の長編を1本書くよりは、50枚の短篇を10本書いた方が力がつくといいます。エンドマークをきっちりつけた数が実力につながるんですね。


そして、首尾よく新人賞を受賞してデビューしたとしても、大事なのはそれからです。デビューはスタートでしかなく、それからプロとして書き続けていける人は多くありません。そのためにも、大きな花を咲かせるためには太い根っこをはることが大切なんですね。何ごとにも下積みが重要です。


また、作家として成功するノウハウのひとつとして、「亡くなったり書かなくなった作家の後釜を狙う」というのも教えていただきました。


たとえば、柴田先生は『下山事件 最後の証言』などで、松本清張が『日本の黒い霧』でやっていたような社会派ノンフィクション・エンターテインメントを提供して支持されています。

新装版 日本の黒い霧 (上) (文春文庫)

新装版 日本の黒い霧 (上) (文春文庫)

それから、町田康がいまウケているのは、野坂昭如が病気をして書かなくなってからだという指摘もありました。

ゴランノスポン

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ブロガーにも、アクセス数アップのノウハウはいくつもありますが、「更新停止した有名ブログの後釜を狙う」というのもひとつの手かもしれません。

「スポーツ映画ベストテン」しめきりのお知らせ


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