交響曲第五番”運命”〜移民の歌

7月17日といえば、ブルーザー・ブロディの命日であります。もう22年も経ったのですねぇ。

ブロディの名勝負といえば、全日本プロレスのリングで行われたジャンボ鶴田戦や天龍源一郎戦がよく知られていますが、ぼくの印象に強く残っているのは、新日本プロレスでの一連のアントニオ猪木戦です。



猪木とブロディはそのカリスマ的キャラクター性に似通ったところがあり、一連の試合は「どちらのアクがより強く出るか」をガチで競い合ったスリリングなものでした。そこへもって古舘伊知郎の名調子が加わり、奇跡の化学反応を起こしています。古舘伊知郎の本来の持ち味は「不謹慎」にあり、猪木やブロディといったアクの強いキャラクターを扱ってこそ存分に発揮されます。今の報道番組でマジメな話をしている彼を見ていると、どうしても物足りなさを感じてしまいますね。


上の動画は5回目の対戦(全部で7回対戦している)ですが、1985年4月に行われた第1戦では、ブロディが足を負傷し大流血するという意外な展開になりました。これを観戦していた板坂剛が、ブロディが隠し持った刃物で自分の足を傷つけていたと「噂の真相」誌上で告発したのを、ご記憶のオールドファンも少なくないでしょう。

当時はこれを「不正出血」と呼んでいたものですが、本来この単語は産婦人科の領域で使われるものであって、プロレスの演出で流血するのをそう呼ぶのはヘンなんですけどね。今では、プロレスの流血は刃物で切っているというのが常識になっていますので、批判されることもないでしょうけど。
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