帰りたかったウルトラマン

5月15日に宮城スタジアムで行われた、浦和レッズvsベガルタ仙台の試合が、問題になっています。


http://www.kahoku.co.jp/news/2010/05/20100516t14033.htm

宮スタJ1戦 浦和応援側の2席破損

 宮城県利府町宮城スタジアムで15日行われたサッカー、Jリーグ1部(J1)ベガルタ仙台と浦和の試合で、浦和側サポーター席の座席2席が壊れたことが分かった。仙台は浦和サポーターが座席の上に乗って応援したために破損したと判断、浦和側に被害額を請求する。(1.10面に関連記事)
 壊れたのは、ゴール裏にある浦和サポーター席のうち、最前列の2席。いずれも折り畳み式座席の背もたれと座席のつなぎ目が折れていた。被害額は1席数万円とみられる。
 この日は2万4000人の観衆が集まり、浦和側からは8000人以上のサポーターが来場していた。
 宮城スタジアムでは、2002年4月に行われた仙台―浦和戦でも、浦和サポーター席の22席が壊れた経緯がある。
 宮城スタジアムの施設管理担当者は「浦和の応援は素晴らしかったのに残念。自分たちのスタジアムと思って大切にしてほしい」と話している。
 今季の宮城スタジアムでは、4月4日の仙台―鹿島戦でも鹿島サポーター席の座席1席が壊れ、仙台が鹿島側に被害額を請求している。

宮スタの座席は壊れやすいというわけでもないんでしょうが、この試合ではこんな問題まで。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000015-dal-socc

浦和サポーター差別的発言 勝ち点はく奪も

 Jリーグの鬼武健二チェアマン(70)は18日、J1の仙台‐浦和(15日・宮城スタジアム)で、浦和サポーターが仙台の外国籍選手に差別的発言をしたことについて調査を進めていることを明かし「由々しき問題。中身によっては処置をしないといけない」と話した。
 仙台は、試合後に一部の浦和サポーターが仙台のバスが出発する際、特定の選手に人種差別的な発言をしたとJリーグに報告。人種差別行為への処罰については、国際サッカー連盟が06年に規約を「1回目で勝ち点3をはく奪」と改訂。日本協会を通じて、Jリーグにも通達されている。
 Jリーグは仙台にさらに詳細な調査、浦和には発言者の特定を求めており、羽生事務局長は「特定できれば処罰する」と明言。勝ち点はく奪を含めた厳しい裁定が下される可能性が出てきた。

これ、たぶん梁勇基のことじゃないかと思うんですが、それにしても「発言者を特定して処罰する」というのはすごいですね。サッカー界は厳しいんだなぁ。


FIFAには、選手やサポーターの人種差別行為に厳罰を科す規定があり、これを守らない団体はFIFA主催大会へ出場停止になるそうですので、加盟団体であるJリーグもこれに従っているわけですね。


これがプロレスだったら、人種差別なんて日常茶飯事ですからねぇ。

Gスピリッツ Vol.14 (タツミムック)

Gスピリッツ Vol.14 (タツミムック)

「Gスピリッツ」の前号では、メキシコで活躍したルチャドールウルトラマン」の悲話”帰りたかったウルトラマンが載っておりました。


初代タイガーマスクとの対戦でも知られるウルトラマン(本名ベンチュラ・チャベス・ペレス)は、1974年に覆面レスラー「ウルトラマン」に変身して本国メキシコで中堅ルチャドールとして活躍し、1979年に藤波辰巳への刺客として初来日しました。


このときは、日本人のウルトラマンに対する好意が前面に出たのか、円谷プロ本家ウルトラマンが花束を贈呈するという歓迎っぷりを見せたのですが、いっしょに巡業するアメリカ人レスラーたちは歓迎してはおらず、真面目人間のウルトラマンに対して「ヤツは性病患者だ」とデマを言いふらし、陰湿なイジメをしていたといいます。


光の国ならぬ太陽の国から来た男に、そんなヒドいことを言うなんて。


ちなみに、アメリカ人レスラーのメキシカンいじめに関するエピソードはいくつも伝わっており、国際プロレスの外人組移動バス車内でボブ・スィータンがレオ・ロペスに差別的な発言をしてルー・テーズ咎められた話とか、新日本プロレスでやはり藤波辰巳と戦う予定だったエル・カネックがロン・スターら白人のイジメ(ホテルの部屋に乱入してフルボッコにした上に消火器を室内に撒き散らす)に遭った上に勝手に覆面剥ぎデスマッチを組まれ、試合をボイコットして逃亡した話などは有名です。

異人たちのハリウッド―「民族」をキーワードに読み解くアメリカ映画史

異人たちのハリウッド―「民族」をキーワードに読み解くアメリカ映画史

プロレス業界にまで人種差別への罰則を適用したら、かなりの関係者やファンが処罰されることになるでしょうねぇ。というか、キラー・カーンみたいな民族ギミックのレスラー(最近は見かけないけど)は存在自体が危ういことに。非実在モンゴル人、とかいって。
新宿三百六十五夜

新宿三百六十五夜