行儀よくマジメなんて出来やしなかった

シルバーウイークの間、色々と出かけていたもので疲れがたまっており、今日は何も考えずにひたすら寝ておりました。ひたすら頭がぼんやりしております。


そんなぼんやりした頭で、知人・友人のダイアリーをつらつらと見て回っておりましたら、フモさんのこの記事を見まして。
因果歌謡への招待〜ああそうさひたすらしょーもないさ!でも歌うんだよ!(その4)-メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
世界最高齢のヒップホップアーティスト、坂上弘(大正10年生まれ、先ごろ米寿を迎えた)の歌う「卒業」(尾崎豊のカヴァー)が最高にイイ味を出していました。

交通地獄そして卒業

交通地獄そして卒業


ぜんぜん知らなかった。すごいなぁ。
でも調べてみたら、この人は戦前からトランペット奏者として活動していた人で、音楽の素人が老境にいきなり目覚めたというわけではないみたいですね。


個人的な思い出になりますが、ぼくは思春期のころからどうにも尾崎豊が肌に合わず、ほとんど聴いておりませんでした。原付を二台も盗まれた経験があるため、むしろ積極的に嫌いだったといっても過言ではありません。


そんなぼくですが、一度だけ「卒業」を歌っていた時期がありました。


数年前、警備会社に勤めていたぼくは、高校の守衛を何度かやったことがあります。


学校の守衛にもいろんな勤務形態があり、ぼくがやっていたのは、早朝に出勤して玄関や昇降口の鍵を開け、先生や生徒が登校してくるのを迎えたら鍵を担当者に預け、昼間は別の現場に勤務し、夕方になったらまた学校に出勤し、先生や生徒が下校したのを確認して施錠するというものでした。実質的に一日三現場なわけで、けっこうハードです。


で、夜になったら校内を見回り、教室や廊下の窓、昇降口や非常口などの施錠を確認し、電気を消し、セキュリティのセットをして帰るわけですが、無人で真っ暗な校舎を懐中電灯ひとつで歩き回るというのは、さすがに不気味なものです。学校や病院に怪談が多いのは、中途半端に仕切られた空間がやたらにたくさんあるという建物の構造が、どこかに怪奇が潜んでいるような予感を持たせるためだと言われていますが、たしかに、唯物論者のぼくでも、なにやら異様な空気を感じる仕事ではありました。


とくに、少子化で生徒が少なくなったためか、1フロア丸ごと使われていない教室が並んでいる、ほとんど人の出入りがない区域があり、古くなって廃棄される図書室の本とか、ボロボロに老朽化したコントラバスのケースなんかが置いてあって、ホコリ臭い空気もあいまってなんとも気味の悪い空間を醸成しておったものです。


こんなところを見回るときには、勢いをつけるために陽気な鼻歌をうたったりしていましたが(『宇宙刑事ギャバン』の主題歌とか)、尾崎豊の「卒業」もレパートリーに加えました。


全部は知らないので、サビの、

夜の校舎 窓ガラス 壊して回った

という部分を、

夜の校舎 窓ガラス 調べて回った

に変えて、ここだけ繰り返し歌いながら、真っ暗な夜の学校を歩き回った、ワッシュ27歳の青春でありました。