シャルル・ボネ症候群

今日は、友人の煙羅煙羅くんのリクエストにお応えして、江原啓之をめぐる動きについてさらっとまとめてみようと思います。


江原啓之は、バラエティ番組「オーラの泉」などにおいて、芸能人やカウンセリング希望者を「霊視」し、守護霊(主に対象者の亡くなった親族)からのメッセージを伝える「スピリチュアルカウンセリング」なるパフォーマンスを行っています。


このパフォーマンスにより、主に中高年以上の支持を集めています。


というのも、中高年になると親や信頼していた人物が亡くなっていることが多いため、そういう人からのメッセージが聞けるとなると飛びついてしまうんですね。


そして、その手法はこちらでくわしくまとめられています。

http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20070415/1176651449


事前に相手のことを調べておく”ホット・リーディング”と、その場で相手の反応を見ながら情報を得る”コールド・リーディング”のテクニックを駆使することにより、「霊視」は成り立っています。


ジョジョで言えば、ジョセフがハーミットパープルでDIOの居場所を突き止めたのがホット・リーディングで、若い頃にゴロツキのメリケンサックがズボンの後ろポケットに入っているのを見抜いたのがコールド・リーディングです。

ジョジョの奇妙な冒険 13 (ジャンプコミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 13 (ジャンプコミックス)

そして、ホット・リーディングが失敗するとこのような事態になります。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1082206.html

昨年12月28日に放送された「オーラの泉」において、元宝塚の女優、檀れい氏を霊視した際、「亡くなったお父さんがあなたを見守っている。宝塚に入ったときも、あなたのことを理解していましたよ」と発言しました。

しかし、この「亡くなったお父さん」というのは檀氏が宝塚でデビューした後にお母さんと再婚した人で、実父はまだ健在だったのです。


リサーチ不足により、このような失態をさらすことになってしまいました。


ジョジョで言えば、ジョセフが女の子の口の中に鳩を仕込んでいたのを知らず、キスしようとしてつつかれたシーザーみたいなものです。

ジョジョの奇妙な冒険 7 (ジャンプコミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 7 (ジャンプコミックス)

また、もう一つ問題になっているのがこちら。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1050757.html


これは、昨年フジテレビで放送された27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」において、美容院を経営するかたわらボランティア活動をしている女性を江原が「霊視」し、「亡くなったお父さんが、このままではお店が大変なことになる、と言ってます。ボランティアに熱中して、お店をおろそかにしているでしょう」と言いがかりをつけ、その女性が憤慨して反論した場面はすべてカットし、江原のデタラメで感動したかのように編集されたという、悪質なものです。


この事例を受け、BPO日本民間放送連盟)がフジテレビに意見書を出す事態にまでなりました。
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20080122k0000m040046000c.html



そもそも、BPOの放送基準には、

  • 迷信は肯定的に取り扱わない。
  • 占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない。現代人の良識から見て非科学的な迷信や、これに類する人相、手相、骨相、印相、家相、墓相、風水、運命・運勢鑑定、霊感、霊能等を取り上げる場合は、これを肯定的に取り扱わない。

というものがあるので、江原や細木数子Dr.コパ藤木相元といった人々は、本来なら存在自体が放送禁止という、スペル星人みたいなモンなのです。



これらの規定はほとんど無視されていたのですが、今年になって、細木数子が番組を降板するなど潮流が変わっていているようです。


テレビがもっとも面白くなるのは、それまで持ち上げていた人を一気に叩き落す「はしご外し」の瞬間だと思います。


昨年は、亀田一家が見事にはしごを外され、そのカタルシスにぼくも狂喜したものですが、江原もそろそろはしご外しの時期に来ているんでしょうか。でっかい波が来そうで、楽しみでワクワクしてしまいます。


世間には、ありもしないものが見えると称する人はいっぱいいますが、どれも嘘つきか病人のどちらか、あるいは両方です。気をつけてください。