Know your enemy

ちょっと古い話になりますが。


6月5日の「河北新報」に、こんな記事が載っておりました。

事実無根でした
「男性が女児暴行」のうわさ

登米市内で「女児が男性に暴行を受けた」とのうわさが広がっている。佐沼署や市で調査した結果、事実無根であることが分かり、四日までに異例の打ち消し情報を出した。
同市迫町佐沼の店舗トイレで、五歳の女の子が男性から暴行を受けて大けがをしたとの内容。複数の情報が寄せられ、佐沼署が捜査、病院にも照会したが、事実は確認されず、被害届も出されていない。
同署は一日、「女児被害事案のうわさ事実なし」と題した地域安全ニュースを発行。「これまでの捜査ではそのような事実を把握していません」として、交番や駐在所などに掲示した。
市はホームページの「不審者情報掲示板」で、うわさの内容を紹介した上で、「警察での事実の把握は確認されておりません」と打ち消しの対応に追われた。

地元では、けっこう信じられていたようです。
http://tohoku.machi.to/bbs/read.pl?BBS=touhoku&KEY=1140786975&LAST=50
これって、昔から各地のショッピングセンターやデパートを舞台として語られている、典型的な都市伝説のひとつなんですけどねぇ。

都市の穴

都市の穴

http://www5d.biglobe.ne.jp/~DD2/Rumor/shoping_center.htm
↑こちらの調査を見ると、北海道から九州まで、ありとあらゆる地域でこの噂話が発生しているようです。

元はといえば、1960年代のアメリカで、「Kマートのトイレで黒人少年が白人幼児に暴行」という形で発生したもののようですね。

今の日本では、中学生が犯人として語られるバージョンが多いようです。


テレビやマスコミでは、日々「治安の悪化」「犯罪の増加・凶悪化」が喧伝されていますが、実際には犯罪は増えていないということは、ちょっとデータに目を通したことがあればわかるはずです。


流言蜚語を信じて、特定の人種や階層の人物を危険視する、という行為がいかに危険か。
これは歴史が証明していますね。


関東大震災時の朝鮮人虐殺とか、ルワンダにおけるツチ族虐殺はよく知られています。

これらの事件を併記すると、問題になるらしいけど。



こういった事件についての掲示板へのカキコなどを見ると、
「事件がデマであっても、幼い子を持つ親として見過ごせない」
という意見がよく見られます。


こういう人が、自分の子供が中学生になったときに同じようなウワサが立ったらどう思うのか、ちょっと興味ありますね。


よもや、「中学生の子を持つ親として、このような偏見で見られることは悲しい」なんてことは言わないでしょうねぇ。