お酒映画ベストテン:結果発表

さて、予定よりだいぶ遅れてしまいましたが、ゴールデンウイークに募集した「お酒映画ベストテン」の結果を発表したいと思います。


今回も破壊屋さんのアシストをいただき(というより丸投げに近い)集計作業は迅速に済んでいたのですが、連休明け初日にワイがギックリ腰に見舞われ、1ヶ月以上にわたりパソコンの前に座って作業をすることができない状態に陥っておりました。
そのため、発表がなかなかできなかったことをお詫びいたします。


お酒映画という縛りがキツかったのか、今回は参加者24名にとどまりましたが、バラエティに富んだ投票にはおおいに楽しませていただきました。


というわけで、もったいつけず1位からドーンといきます!

1位:ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 57点


5位:レイダース/失われた聖櫃 22点


7位:吐きだめの悪魔 19点


8位:ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 18点

ハングオーバー! [Blu-ray]

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同率10位:ダーティペア劇場版 14.5点

EMOTION the Best ダーティペア 劇場版 [DVD]

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同率10位:悪魔の手毬唄 14.5点



酔拳』が大本命だと思っていたんですケド、より「酔っ払い」をテーマの中心に据えた『ワールズ・エンド』のほうが1位となりました。
また、ぼく的にはまったくノーマークだった『夜は短し歩けよ乙女』がこんなに上位にくるとは、意外な結果でした。みんなけっこうラノベ邦画も観てるのね。


かと思えば、ちゃんと『吐きだめの悪魔』がランクインするあたりは、さすがうちのベストテンらしいカラーが出たかと思います。あと『ダーティペア』が入るあたりも、まあ世代ですよ世代。


13位から下はこんな感じです。

ビール・フェスタ 無修正版 世界対抗・一気飲み選手権、ベティ・ブルー/愛と激情の日々 9点


今回はとにかくカブりが少なかった。「お酒映画」というテーマが、何気に広いテイストをカバーし得るものだったのだなぁと再認識させられました。ご参加いただいたみなさまには、心より御礼申し上げます。

お酒映画ベストテン

春ですね。みなさんお元気ですか。変わりはありませんか。友だちできましたか。山は死にますか。川は死にますか。いくらブタ箱の臭いまずい飯がうまくなったところでそれで自由になれましたか。闇に沈む月の裏の顔をあばき青い砂や石をどこへ運び去りましたか。


というわけで恒例の、春の映画ベストテン企画です。

2017年冬:映画オールタイムベストテン2017

映画オールタイムベストテン2017:結果発表 - 男の魂に火をつけろ! 映画オールタイムベストテン2017:結果発表:結果発表 - 男の魂に火をつけろ!


冬ベストは真面目なテーマで、春ベストは偏差値低めのテーマでやることにしております。2015年春の「おっぱい」がこのブログ史上最大の反響を呼んだ体験に味を占めてのことですが、以後は鳴かず飛ばずが続いております。でもやるんだよ!


今回のテーマは「お酒映画ベストテン」といたします。


あんまりお酒を飲まないワスではありますが、映画の中でお酒が効果的に使われている場面はいろいろありますね。おいしそうに飲む場面のみならず、酔っ払いが巻き起こすおかしな騒動、アルコール依存症の恐ろしさややるせなさ、お酒づくりの職人たち、お酒自体は出てこないけど登場人物たちが酒について語る場面などなど、何でもかまいません。とにかく「お酒にまつわる映画」であればそれでOKです。

参加方法

  • お好きなお酒映画のベストテンを挙げていただきます。
  • ブログをお持ちの方は、ご自分のブログで書き、このエントリにトラックバックしてください。
  • ブログをお持ちでない方は、このエントリにコメントで書いてください。トラックバックが反映されない方も、お手数ですがコメント欄にURLを貼り付けてください。
  • バトンではありません。取り上げているブログを見ても、そちらではなくこの元エントリに、トラックバックもしくはコメントをお願いします。
  • ツイッターで参加される方は、無理に1ツイートにまとめず、連投してもけっこうです。その際、@washburn1975までメンションを飛ばすのを忘れないようにしてください。
  • 書式はこちらの記事を参考にしていただけると、とても助かります。

ネット上の投票企画の書き方 - 破壊屋ブログ ネット上の投票企画の書き方 - 破壊屋ブログ


はてなブログの方は、トラックバックが飛ばない仕様なので、お手数ですがコメント欄にURLを書き込んでください。

採点方式

  • 1位は10点、2位は9点、3位は8点、以下同様に1点ずつ減っていき、9位は2点、10位は1点とします。
  • 順位が付けられない方は「順不同」と明記してください。一律に5.5点とします。
  • 10本も選べない、という方は少なくてもいいです。その場合、上から10点、9点、と配点していきます。
  • お一人さま55点の範囲内で、点数の指定がある場合はそちらに従います。同率一位(10点)が5本であとの5本に1点ずつ、などの割り振りも可です。その場合は1本ごとの点数をわかりやすく明記してください。
  • ただし、1本につき最高10点、お一人さま10作品までといたします。「1本に55点全部」とか、「1点ずつ55本」などは無効といたしますので、ご了承ください。

対象作品の基準

  • お酒に少しでも関係ある映画であれば、何でもOKです。
  • 洋画/邦画、実写/アニメ、劇映画/ドキュメンタリーなどの区別は問いません。
  • ただし、あくまで「映画」に限ります。テレビドラマ、テレビアニメ、ネット動画などは対象外となります。
  • 劇中でお酒を飲む場面がなくとも、お酒について語ったりしているだけでもOKです。
  • 迷ったときには当ベストテンの大原則である「迷ったら入れる」を採用してください。

選ぶときの注意

  • 集計の都合上、なるべく、公開年や監督などのデータを一言つけ加えておいてください。
  • 「なんでこれがお酒映画なの?」とわからなくなる場合があると思いますので、出てくるお酒を明記してください。
  • 「こんなの選んだらバカだと思われる」「好きな映画じゃないけど映画史を語る上でこれは外せない」など、不純なことは考えない方が楽しく選べます

ワッシュのお酒映画ベストテン

  1. ドランクモンキー 酔拳(1978年香港、ユエン・ウーピン監督、ジャッキー・チェン主演 ※中国酒、品種不明)
  2. 野獣死すべし(1980年日本、村川透監督、松田優作主演 ※XYZ)
  3. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年米、トッド・フィリップス監督、ブラッドリー・クーパー主演 ※イエーガーマイスター
  4. 幸福の黄色いハンカチ(1977年日本、山田洋二監督、高倉健主演 ※ビール)
  5. 探偵はBARにいる(2011年日本、橋本一監督、大泉洋主演 ※オリジナルカクテル「サウダージ」)
  6. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年英、エドガー・ライト監督、サイモン・ペグ&ニック・フロスト主演 ※ビール)
  7. シャイニング(1980年米、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演 ※ジャックダニエル
  8. 007 ドクター・ノオ(1962年米、テレンス・ヤング監督、ショーン・コネリー主演 ※ウォッカマティーニ
  9. 仁義なき戦い(1973年日本、深作欣二監督、菅原文太主演 ※ぬるいビール)
  10. 蘇える金狼(1979年日本、村川透監督、松田優作主演 ※ジュヴレ・シャンベルタン2001年もののワイン)

ハングオーバー! [Blu-ray]

ハングオーバー! [Blu-ray]

仁義なき戦い Blu-ray COLLECTION

仁義なき戦い Blu-ray COLLECTION


普段あまりお酒を飲まないので、これだけ挙げるのにも苦労いたしました。ワインの映画とかもっといっぱいありそうな気がするんですけど、ぼくの観てきた映画にはあんまり印象がなかったんですよね。


ではしめきりは、ゴールデンウイークが終わる5月6日(日)24時まで。連休のおともに、ゆっくりお酒でも味わいながら選んでみてはいかがでしょう。ふるってご参加ください!

山形小説家・ライター講座 2018年度スケジュール

昨日は「せんだい文学塾」の年間スケジュールを紹介しましたが、今日は姉妹講座である「山形小説家・ライター講座」の年間スケジュールをここで紹介いたします。

※以下敬称略

4月22日(日)14時〜16時開講

司会:黒木あるじ

ボラード病 (文春文庫)

ボラード病 (文春文庫)

怪談実話 終 (竹書房文庫)

怪談実話 終 (竹書房文庫)


5月27日(日)14時〜16時開講

唯川恵直木賞作家)

バッグをザックに持ち替えて

バッグをザックに持ち替えて


6月24日(日)14時〜16時開講

辻村深月直木賞作家)

かがみの孤城

かがみの孤城


7月22日(日)14時〜16時開講

葉真中顕日本ミステリー文学大賞新人賞作家、別名:罪山罰太郎
司会:深町秋生

政治的に正しい警察小説 (小学館文庫)

政治的に正しい警察小説 (小学館文庫)

卑怯者の流儀 (徳間文庫)

卑怯者の流儀 (徳間文庫)



8月26日(日)14時〜16時開講

三浦しをん直木賞作家)

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)


9月23日(日)14時〜16時開講

塩田武士山田風太郎賞作家)&花房観音団鬼六賞作家)

司会・黒木あるじ

ともにがんばりましょう (講談社文庫)

ともにがんばりましょう (講談社文庫)

半乳捕物帳 (実業之日本社文庫)

半乳捕物帳 (実業之日本社文庫)


11月4日(日)14時〜16時開講(※10月度講座)

11月25日(土)14時〜16時開講

角田光代井上荒野江國香織直木賞作家たち)

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

切羽へ (新潮文庫)

切羽へ (新潮文庫)

号泣する準備はできていた (新潮文庫)

号泣する準備はできていた (新潮文庫)


12月9日(日)14時〜16時開講

乾石智子(ファンタジー作家・創元ファンタジー新人賞選考委員)
司会:紺野仲右ヱ門

闇の虹水晶 (創元推理文庫)

闇の虹水晶 (創元推理文庫)

携帯乳児

携帯乳児




1月27日(日)14時〜16時開講

古川日出男日本SF大賞三島賞読売文学賞作家)

ミライミライ

ミライミライ


2月24日(日)14時〜16時開講

和合亮一(詩人/中原中也賞

詩の礫

詩の礫


3月24日(土)14時〜16時開講

門井慶喜直木賞作家)

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞


※やむを得ぬ事情により、講師の顔ぶれは変更になる場合もあります

講座世話役

池上冬樹(文芸評論家)

会場

【2018年4月〜8月講座】

山形市 遊学館 3F 研修室(山形市緑町1丁目2-36)

【2018年9月〜2019年3月講座】

アズ七日町4F中央公民館山形市七日町一丁目2-39)

受講料:一般2000円、学生1000円、高校生以下無料

お問い合わせアドレス

講座終了後には、講師の先生方を交えた懇親会(会費は受講料とは別途4000円)もあり

※事前申し込みは不要、出欠は当日の講座にて

会場ではわたくし手作りのおやつもご用意いたします

せんだい文学塾 2018年度スケジュール

さて、すでに2018年度がスタートしておりますが、ぼくが会長をつとめる「せんだい文学塾」本年度のスケジュールを、こちらでも発表いたします。

※以下敬称略

4月21日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

講師:中島京子直木賞作家)「小説を書く楽しみ」

樽とタタン

樽とタタン

5月26日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

酒井順子講談社エッセイ賞作家)「エッセイストの悩み」

裏が、幸せ。 (小学館文庫)

裏が、幸せ。 (小学館文庫)

6月23日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

辻村深月直木賞作家)「読むこと、書くことの喜び」

青空と逃げる (単行本)

青空と逃げる (単行本)

7月(休み)

8月25日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

三浦しをん直木賞作家)「推敲のポイント」

ぐるぐる?博物館

ぐるぐる?博物館

※8月のみ、仙台市市民活動サポートセンター(仙台市青葉区一番町四丁目1-3)にて開講

http://sapo-sen.jp/

9月22日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

塩田武士山田風太郎賞作家)&花房観音団鬼六賞作家)

司会・黒木あるじ/「小説家を続けていくこと」

騙し絵の牙

騙し絵の牙

恋塚 (講談社文庫)

恋塚 (講談社文庫)

10月27日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

梯久美子大宅壮一ノンフィクション賞作家)「取材と資料探しの方法」

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ


11月24日(土)16時開場、16時30分〜18時30分開講

角田光代井上荒野江國香織直木賞作家たち)

「3人の読み方はこんなに違う パート3」

物語のなかとそと 江國香織散文集

物語のなかとそと 江國香織散文集

12月(休み)

1月26日(土)15時30分開場、16時〜18時開講

平山夢明大藪春彦賞作家)

「執筆という荒野で遭難しない方法」

2月23日(土)15時30分開場、16時〜18時開講

熊谷達也直木賞作家)

「人はなぜ小説を書きたがる(読みたがる)のか」

浜の甚兵衛

浜の甚兵衛

3月23日(土)15時30分開場、16時〜18時開講

佐伯一麦野間賞作家)

「『私』を描くということ」

還れぬ家(新潮文庫)

還れぬ家(新潮文庫)


※やむを得ぬ事情により、講師の顔ぶれは変更になる場合もあります

講座アドバイザー

池上冬樹(文芸評論家)

会場

8月をのぞき仙台文学館仙台市青葉区北根2丁目7−1)

http://www.sendai-lit.jp/info/access

受講料:一般2000円、学生1000円、高校生以下無料

お申し込み/お問い合わせ

講座終了後には、講師の先生方を交えた懇親会(会費は受講料とは別途4000円)もあり

※事前申し込みが必要

会場ではわたくし手作りのおやつもご用意いたします

第一回仙台短編文学賞:受賞作発表

荒蝦夷河北新報社プレスアートが主催した「仙台短編文学賞」、第一回の受賞作が発表されました。


http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180310/0000466.html

仙台短編文学賞 初の大賞決まる

東日本大震災をきっかけに新たに創設された「仙台短編文学賞」の受賞作が発表され、大賞には、震災の風化への抵抗をテーマにした作品が選ばれました。

仙台短編文学賞は、震災の経験を踏まえた新たな文学を生み出そうと、出版社などでつくる実行委員会が創設したもので、全国各地から576作品の応募が寄せられました。
審査の結果、大賞には、大阪府岬町に住む岸ノ里玉夫さん(58)の作品「奥州ゆきを抄」が選ばれました。
この作品は、東北に伝わる伝統芸能浄瑠璃の復活に取り組む主人公が、その活動を通して、阪神・淡路大震災東日本大震災の風化にあらがっていこうとする姿が描かれています。
また、5つの受賞作のひとつとして、七ヶ浜町に住む村上サカナさん(50)の「ごく限られた場所に降った雪」が選ばれました。
村上さんは岩手県陸前高田市出身で、酒好きだが人に尽くす父と、おせっかいで朗らかな母との、かつての心温まる日常を通して、震災で失われたものの大きさを描いています。
実行委員会の土方正志代表は「震災への思いを吐き出し書かずにはいられなかったと思わせる作品が大半だった。文学賞をつくった甲斐があったと思う」と話していました。

大賞の岸ノ里玉夫さんは、「三咲光郎」名義で松本清張賞も受賞している、プロの作家です。

上野の仔 (徳間文庫)

上野の仔 (徳間文庫)

冥界の遺産: 特務機関ラバーズ (徳間文庫)

冥界の遺産: 特務機関ラバーズ (徳間文庫)


各賞の詳細や、審査委員の選評については、公式サイトをごらんください。
https://sendaitanpenbungak.wixsite.com/award/1


また、今回の審査委員を務められた佐伯一麦先生の小説を映画化した『二十六夜待ち』が、仙台でも公開されています。


仙台セントラルホールにて、本日より一週間の限定上映。仙台の方はお見逃しなく。
http://www.sakura-centralhall.jp/index.html

武田一義トークショー兼サイン会@仙台

久しぶりの更新となりましたが、やはりイベント告知です。


http://www.blg.co.jp/kikuya/shops/sendai/#

特報!「ペリリュー−楽園のゲルニカ− 4巻」発売記念!

武田一義先生トークショー兼サイン会 開催!!

【開催日】3/10(土)13時〜

第46回日本漫画家協会賞優秀賞受賞作。
戦争の時代に生きた若者達の長く忘れさられた真実の記録を描き、
話題沸騰中の「ペリリュー-楽園のゲルニカ武田一義先生待望の
トークショー兼サイン会を当店にて開催します!
武田先生の貴重なお話を生で聞けるチャンス!
この機会をお見逃しなく!

白泉社公式サイト内ページ

http://www.younganimal.com/takeda_sign/


開催は今週土曜ですが、整理券はまだ入手可能とのこと。どうぞよろしく。

おわりの一歩

さて、今年も既に半月が過ぎ去りましたね。


去年から、たまに書くといいつつほぼ告知しか打たない廃墟となってしまったこのブログではありますが、たまにはとくに意味もなくダラダラと思いついたことを書くのもまたよし、ということで今年最初のエントリを。


というのも、ボクシング漫画の金字塔である(皮肉でもなんでもない)『はじめの一歩』が、ついに完結を匂わせる展開になってきたことですよ。

ここ数年ずっと引き延ばしてきた、一歩のパンチドランカー疑惑がついに決定的になり、引退がほぼ確定したといっていいでしょう。
単行本が70巻を過ぎたあたりから、試合展開の引き伸ばしが顕著になり、往年のファンがどんどん離れていったこの作品ですが、ここ最近はドラマがしっかり動いているので、オールドファンにもまた読み直してほしいと思っております。


思えば、ボクシング漫画で主人公がパンチドランカーになることは珍しくありませんが、たいていは症状を隠して戦い続け、世界チャンピオンを倒す(もしくは圧倒する)ものの、その代償として廃人になる、的な終わり方になりがちでした。そもそも物語のクライマックスとしては、栄光の絶頂で終わるか、または破滅で終わるというのが定石であります。

しかし、旧来のボクシング漫画とは一線を画すリアリティが魅力だった『はじめの一歩』ですから、ここは新しいエンディングを持ってきてもらいたいですね。ボクサーがちゃんと引退する漫画、って読んだ記憶がないので、そこをしっかり描いてほしい。会長がコミッションに引退届を出して、一歩が会長に「長い間お世話になりました!」とあいさつをして、ちゃんと社会人として生きていく終わりにしてほしいですね。作者の森川ジョージには、自らボクシングジムを経営して、かつてスター選手だった高橋ナオトを会長に起用するものの、素行の悪さが目に余ったため訣別するという経験がありますから、一歩にはナオトを反面教師として、釣り船屋としてしっかり働く人になってもらいたいものです。


だいたい今までの展開と、漫画のお約束を踏まえて考えると、最終回はこんな感じになると予想します。

  • 後楽園ホールで一歩の引退セレモニーが行われ、リング上でテンカウントゴングを聞きながら四方に深々と頭を下げる
  • それから一年ほど時間が経ち、一歩と久美の結婚式が行われる
  • かつてのライバルたちが大集合する
  • テレビでは、ヴォルグと千堂の世界タイトルマッチ(勝った方がリカルドと統一戦をやる)が流れている
  • 久美を連れてバージンロードを歩く間柴の目に涙が光る
  • 久美が投げたブーケをトミ子が受け取り、青木と「次は私たちね」とうなずき合う
  • 披露宴で鷹村が一歩の巨根をネタにしたセクハラスピーチを行い、激怒した間柴と殴り合いになる
  • 大騒ぎの中、浮かない表情の一歩。宮田の席を見ると空席になっている
  • 二次会を終え、家へ帰ろうとする久美に「先に帰っててください。忘れ物を取ってきます」と一歩
  • 鴨川ジムの地下リングへ行くと、そこで待っていた宮田が「遅かったな」と
  • 「あの日の決着をつけよう」と二人だけのスパーリングを開始
  • 「カーン」とゴングが鳴り「ご愛読ありがとうございました」


うーん……「カーン」オチってのは、あまりにもベタすぎるかなぁ。
とはいえ、一歩が引退した途端にパンチドランカーが急速に悪化して、釣り船から落ちて亡くなるなんてのはやめてほしいし、引退を撤回して廃人になるまでリングに上がり続ける、なんてのは論外だし、一歩がトレーナーの道を歩み始めてまたダラダラ続けるというのもイヤだ。そもそも一歩の性格からいって、あいつ指導者に向いてないし。


あとは、結婚した一歩と久美の間に、間柴そっくりの赤ちゃんが生まれるってのも捨てがたいが、30年続いた漫画のオチがそれってのもちょっとね。


ていうか、『はじめの一歩』は1989年に連載が始まってるので、来年で30周年なんですよね。たぶん、一歩が引退することになっても、30周年まではまたダラダラ引き延ばすんだろうなあ、という悪い予感もあったりするのです。